提出物VS.僕――焦りと現実逃避のユーモラスな三分間

 主人公・黒羽冥が体験する「三分間」の切迫感がひしひしと伝わってきました。時間に追われる焦り、頭の中を駆け巡る言い訳や後悔、そして思わず現実逃避したくなる心の揺れに、とても共感しました。美沙とのテンポの良い掛け合いも物語に軽やかさを加え、冥の不器用さや人間味がより際立ちます。最後に訪れる小さな絶望もどこかユーモラスで、肩の力を抜いて楽しめました。

 普段から提出物やテストに追われている学生さん、つい先延ばしにしてしまう人、日常にちょっと笑いと共感が欲しい方に特におすすめしたい作品です。時間の大切さや「やらかし」のリアルさに、思わず自分も重ねてしまいました(苦笑)