水にとける涙は、いつかきっと夢色真珠になる。
- ★★★ Excellent!!!
婚約破棄から始まる物語ですが、読み進めるうちに印象に残るのは「ざまぁ」よりも、主人公ライラの在り方でした。感情に振り回されず、自分の興味や得意分野に素直で、魔法という好きなものに向かって一直線に進んでいく姿が、とても気持ちいいです。
恋愛要素も強い作品ですが、恋がすべてを救う話ではなく、知的な会話や共同作業の積み重ねによって関係が深まっていく点が印象的でした。互いを尊重し合い、対等に並んで考える関係性が丁寧に描かれているため、甘さの中にも安心感があります。
また、水中都市という舞台設定が物語全体を華やかに彩っていて、情景描写が視覚的に浮かびやすいのも魅力です。魔法の研究や発想がストーリーに自然に組み込まれており、世界観を楽しみながら読めました。