めくるめく知世界での青春物語
- ★★★ Excellent!!!
『著者の実際の体験に基づいたフィクション』だと言う本作は、「僕」──高校時代には数学オリンピックに出場し、金メダルを獲得! 東京大学修士課程に在籍していた──が、一つのメールをきっかけにオックスフォード大学への留学を志すところから始まる青春物語です。
実際に留学するまでにもいくつかの壁が立ち塞がるのですが、「僕」は、まさに人事を尽くして天命を待つという姿勢で壁を一つまた一つと乗り越えていきます。
留学記という興味そそられる内容もさることながら、本作の端正な文章は、ぐいぐいと読ませる、言葉運び自体の面白さがあります。
数学部分などについて、分からない部分があるのに、物凄く面白い読み物として感銘を受けました。
読むのにエネルギーが必要だが、その価値がある、カクヨムにいるのなら読むべきエッセイだと、私は思います。特に学生方に読んで頂きたいです。