ラストがとっても素晴らしい

 『運命の数奇』や『選択の重み』という言葉を強く感じさせられる短編でした。

 とある、寝たきりになった老人。その老人が戦時中に体験した『ある出来事』を回想するというもの。

 「最後の命令」という形で、彼は上官からあることを実行しろと命じられていた。それに対しての強烈な葛藤。

 その先で、彼はどんな決断をしたか。

 『野火』や『白鯨との戦い』などの作品で描かれていた『あるテーマ』が扱われていますが、また異なる切り口を見せてくれた作品でした。

 とある選択の結果が、思わぬ道を作り出すこともある。『数奇』という言葉が似合いそうな、意外性のあるラスト。
 読み応えもあり、しみじみと感じ入らされる作品でした。   

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