予知された凶刃
- ★★★ Excellent!!!
この喫茶店での会話、そして遡る8時間前の路地裏でのやり取り。二つの場面が交錯し、一触即発の緊張感が漂いますね。
喫茶店では、ライムグリーンの髪の少女と、未来を視る力を持つ少年が出会います。少女の投げかける哲学的とも取れる言葉は、二人の間に奇妙な空気感を生み出し、少年の警戒心を解くための巧妙な導入だったのかもしれません。しかし、少年が少女の手から未来を垣間見た瞬間、その穏やかな空気は一変します。バタフライナイフが示唆する未来の凶行、そして少年の狼狽。読者は一気に物語の核心へと引き込まれます。
一方、8時間前の路地裏の場面では、少女——凛と呼ばれる人物——が、黒スーツの男からある依頼を受けていることが明かされます。少年の持つ特殊な能力、そしてそれが組織にとって未知数であることが語られ、凛が「刺激を与える」役割を担うことが示唆されます。彼女の言葉の端々からは、依頼に対する若干の抵抗感や、少年に対する複雑な感情が垣間見えます。「平和主義者」という言葉とは裏腹に、危険な役割を担ってきた過去が想像され、彼女のキャラクターに深みを与えています。
二つの場面を繋ぐのは、少女が持っていたバタフライナイフ。喫茶店での会話は、彼女が仕掛けた罠であり、少年は自身の能力によってその危険を察知したものの、既に手遅れだったのかもしれません。