地獄の果ての夜明け
- ★★★ Excellent!!!
白焔に包まれた地獄で全てを失った少年が出会ったのは、同じく傷つきながらも「生きろ、人を助けろ」と強く語る異端審問官だった。絶望の中で生への渇望に目覚めた少年は、その言葉に導かれるように、灰の海で新たな生を得る。過去の罪悪感を抱えながらも、異端審問官の生き様に憧れ、「灰月仁」として生きることを決意する。
焼け付くような過去の記憶と、夜明けの光のような希望のコントラストが鮮烈だ。無力な少年が他者の言葉によって生きる意味を見出し、未来へと歩み出す姿は、読者の心を強く揺さぶる。託された業と希望を胸に、彼はどのような道を歩むのだろうか。その始まりに立ち会えた喜びと、今後の展開への期待が高まる。