心が疲れたら、のんびりとした神さまがいる神社へ──。

この作品は、とにかくのんびりとした神様が、とにかく平穏な日常を過ごす物語。

その姿は、本当はすごい力を持つ仙人が、普段はただの老人として魚を釣ったり、日向ぼっこをしたり、世俗の忙しさから距離を置いて過ごしているかの如きである。

しかし、この神様の“のんびり”こそが、いつの間にか疲れてしまった我々読み手の心を、癒すのかもしれない。

この神様は完璧じゃないから、周りのカラスやスズメにつっこまれたり、助けてもらったりする。
でもそれで良いのだ。

神様だって完璧ではない。
わたしたち人間も完璧でなくてよいのだ。



肩の力を抜いて、背負っている荷物を下ろして、穏やかに生きなさいと、そう語りかけてくれているような物語である。

その他のおすすめレビュー

櫻庭ぬるさんの他のおすすめレビュー159