概要
ガスコーニュの田舎貴族の次男ファンはパリに上京し、聖バルブ学院の学生となった。パリのどこかにいる、父トマによって生まれてすぐに捨てられた姉を捜すことがファンの目的だった。姉は、母カトリーヌがジルダという悪魔の医者によって妊娠させられて産んだ不義の子で、生まれながらにして恐ろしい魔力を持っていたため、捨てられたのである。
学生生活をしつつ姉を捜す中で、ファンは、本屋のジャネット、娼婦のリリー、修道女のソフィーが自分の姉である確率が高いことを知る。
一方、聖バルブ学院とモンテーギュ学院の学生同士の対立が激化し、放火魔騒ぎも多発して、学生の街のカルチェ・ラタンは物騒になっていく。ファンは、聖バルブ学院の学生がモンテーギュ
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!勉学に励む学生は一人も登場しないが、学生街の話です。
学生街と魔女の組合せ。
タイトルを見た時に、魔女が登場すると、胡散臭い時代小説にしか仕上がらないのでは? とも懸念した。
でも、能く能く考えてみると、魔女裁判が横行した中世欧州においては、時代小説が成立する。本物の魔女が登場するので歴史小説にはならないが、ファンタジー色をたっぷり漂わせる上質の時代小説に仕上がった本作品は、歴史小説ファンに止まらず、幅広い読者を虜にするだろう。
経緯を抱えた主人公に因んで三人のヒロインが登場するのだが、対照的なキャラ設定が物語に奥行を与えている。
最終話に、おっと氏の描いたイラストのURLが記載されているので、彼女達のイメージ図をご覧になった後で読み始めても…続きを読む - ★★★ Excellent!!!魔女の力がパリを大混乱に陥れる
お供のナタンと共にパリにやってきた学生、ファン・ビュリダンが主人公。彼の目的は幼い頃に生き別れた姉を捜すこと。彼が様々な仲間と出会い、パリの街路を冒険しながら成長していくのですが、青春小説かと思いきや物語は意外な展開に・・・・・・。
魔法使いが実際に存在する中世パリという世界観は新鮮。さらに豚が闊歩する汚物まみれの街路、娼婦や疫病、学生の乱闘といった中世ヨーロッパの風物詩ともいうべきものが時代の趣を添えています。
主人公は放火犯捜しも依頼されることになり、放火魔は誰か? というミステリの要素も加わって、物語がどの方向に転がるのか全く予想がつきません。終盤は一気読みでした!
是非ご一読を。 - ★★★ Excellent!!!その眼に宿る魔法が、あなたを虜にするでしょう。
堅っ苦しい歴史小説と思ったら大間違い。ぐいぐい惹きこまれます。
中世のパリを舞台にした青春ドラマ。入念な下地がありながらだらだらした描写に陥らず、読者を惹きつけながら当時のパリの様子を思わせる筆致はさすがです。
そして何よりもキャラクターがすごくいいです。主人公を含む主要人物はおろか、ほんの端役まで個性があり存在感があります。
その主人公が姉を探すうちに事件に巻き込まれていく中で、成長していく。事件の真相を解明していくと、待ち受けているのは……。
アクションシーンに手に汗を握り、どきどきはらはらしながら読み進めていくと驚愕の真相に辿りつきます。
さぁ、ぜひこの素晴らしい世…続きを読む - ★★★ Excellent!!!読み始めたら引き返せない!
たぶん1話目から抜け出せなくなっていたのだと思います。
「続きはまた明日読もう」ができません。
この謎が解けたら、ここが分かったら…と読み進めてしまい、結局は最後までの一気読み。強制的に読まされた感!でした。
謎や伏線の張り方、その回収の仕方が絶妙なんです。
別の方が歴史小説だと先入観は捨てるべきと書かれていますが、歴史小説と思って読むと私のように読む終わった後に心がバラバラになります(笑)
ファンタジーとミステリーの融合では?と思いました。
史実も散りばめられていて、うっかり本当にあった魔女裁判とかそういう類の話だと思って読み進めてしまって、やられました。
謎の敗北感にやられ、このレビュ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!歴史小説だという先入観は捨てるべし。雰囲気満点の傑作ファンタジー活劇!
歴史ジャンルというと、作中で当時の細々とした時代背景をくどくど読まされてダルい……
なんて感じてしまう人もおられるかもしれませんが、そうした先入観に囚われて敬遠したりせず、是非この作品に触れて頂きたいと思います。
掛け値なしに面白い!
ざっくり全体の印象を述べてしまうと、『カルチェ・ラタンの魔女』はお堅い歴史小説というより、「実在の古都(パリ)を舞台にしたシティアドベンチャー風の本格ファンタジー活劇」といった趣向の内容でした。
フランスの歴史なんかわかんないし興味ねーよという人でも、伝奇アクション小説的なノリがお好きなら、きっと楽しめる作品になっているはずです。
主人公は、人捜しのため…続きを読む - ★★★ Excellent!!!パリ・女性・魔法から想像する話とは少し違う。
こういう話とは思わなかった。
が、それは良い意味で予想を裏切られた、という意味である。
中世のパリに関する本を読んだことがある人なら衛生環境がひどかったというのに目を留める人は結構いると思う。
そう、フランスは汚い。現在のパリですら、ミュンヘンやウィーンやロンドンに比べると明らかに臭く汚いのだ。なんでファッションやら料理やらで成功してる国なのにこう不潔なのか。
しかし、不潔=悪なのかというと、そんなことはない。汚さは人らしさの証でもあり、そこにはドラマが生まれる。
本作の主人公ファンは売春宿やトイレの整備されてない学院での生活に関わるなか、梅毒やペストといった病気、喧嘩や火事に巻き込ま…続きを読む - ★★★ Excellent!!!下らない火遊びは終わりにしよう。彼の魔眼が必ず見抜く。
中世パリで発生したペストや魔女裁判を下敷きに、街を騒がす放火魔事件へ迫るサスペンスアクション。
いつもながら、アキラ先生の作風の多様性には舌を巻きます。
中世ヨーロッパの生々しい風を感じる、精緻な取材に基づいた街並みと世俗。
主人公ファン君は魔女の子供で、左目に透視能力を受け継いだ魔法使い。さらに右目には、あらゆる魔力を見抜く神の眼を宿しており、否応なしに事件へ巻き込まれます。
さらには生き別れの姉を探すという個人的目標も絡んで、矢継ぎ早に叩き付けられる真相と事件の連鎖は、読者に息をつかせる暇さえ与えません。
ファン君の淡い初恋に涙。
魔女の非業な生い立ちと境遇に涙。
迫力の魔法バト…続きを読む - ★★★ Excellent!!!綺麗な文章が、読み手を十六世紀のパリへと引き込んでゆく
なんとなく開けてみたこの作品。
すると気が付いたら先へ先へとページを捲っていて、続きが気になり過ぎて他サイトに飛んで最後まで一気に読んでしまっていました。
この作品にはどうして惹きつけられたのかと読了後に考えてみたのですが、非常に読みやすく無駄のない柔らかい文体が、最初に読み手を捕らえるのかなと思います。
また、それによって作者さまが精巧に作り込んだ世界観に引き込まれていくのですが、何よりも十六世紀のパリの様子をかなり詳しく描写していることに目が惹かれます。そのため、読者はまるで十六世紀にトリップしたかのような感覚を覚え、登場人物と一緒に物語を駆け巡れるのかなと思いました。
もちろん登場…続きを読む