このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(346文字)
祖母の遺品を査定に持ち込んだ菊里は、自慢の品だった茶入れを偽物だと告げられます。その一言が揺さぶったのは、品物への評価だけではありませんでした。茶入れを大切にしていた祖母の姿を思い返し、戸惑う菊里。その心理を追ううちに、読んでいる自分も、身近な品に重ねてきた思い出を振り返りたくなります。古道具店の飾らない空気と、ぶっきらぼうな店主の存在感も魅力です。物の価値について、静かな余韻を残してくれる短編でした。
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