概要
本作の主人公のベロニカは架空の人物ですが、そのほかは全て史実からモチーフを得て書かれています。史実を知らなくても楽しんで頂けると思いますが、知っておられた方がより理解が深まるでしょうから、以下の解説をざっと読んで頂けると嬉しいです。
作中の「パドゥーロ大統領」と「ロドリゴ女史」のモデルとなったのは、もちろん、ベネズエラのマドゥーロ大統領とロドリゲス副大統領です。マドゥーロ大統領は、2026年1月にアメリカによって拉致されてしまいましたね。これが本作の主題となっています。
主人公ベロニカの盟友であり、
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!「同志よ。君のことはいつまでも忘れない。成功を祈る」
彼が破滅するまでは、ほんのわずかの距離しか離れていなかった。
すなわち、共和国の輝かしい未来まで、あと50m。
「諸君。我々には無限の力がある。無限の資源こそが、我が国の富の象徴である」
\大統領、万歳!/
あと、20m。
「諸君が共和国を愛するように、私も共和国を愛している。諸君が憎むべきは、悪しき制裁を行う合衆国である」
\大統領、万歳!/
あと、10m。
「国民の敵は拘置所内で次々と自死している。我が国の結束は不滅なのだ」
\大統領、万歳!/
あと、5m。
「私は諸君らに保証する。永劫の平和と繁栄を! 共和国、万歳!」
\共和国、万歳!/…続きを読む - ★★★ Excellent!!!不条理に満ちた失敗国家。それを打破したのは、より強大な不条理だった
圧倒的な「毒」に対抗するためには、やはり「毒」をもってするしかないか。
主人公ベロニカは圧制を敷く大統領パドゥーロによって仲間たちを殺され、現状を変えるために自爆テロを仕掛けようとする。
しかし、彼女がいざ計画を実行しようとした瞬間、思わぬ変化が目の前で起こることに……。
本作におけるパドゥーロの支配する国は、間違いなく「失敗国家」と呼ばれる類のもの。
内部からの力で「民主的に」変えるのはほぼ不可能。だとすればゲリラなテロなどのクーデターといった暴力にでも頼らないと何も変わらないという現実もある。
あとは「より強い力を持った国家」が外側から圧倒的な力を持ってねじ伏せてくれ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!命を超えたところにある、新たなる景色。
真に迫った迫真の演技!
俳優に喩えるならまさにそんな感じの小説でした。
我々の記憶にも新しい、ベネズエラのマドゥーロ大統領のアメリカによる拉致事件。
その一報に触れた我々は、「さすがにあれは国際法違反の内政干渉と主権侵害」だと思ったものです。
ですが、その内情を見てみると、そこには血のにじむような迫害を受けていた国民という、無力で疲れ果てた人々がいる現実に向き合わなければならなくなる、そういう矛盾というか、それこそ真実の声みたいなものが厳然としてあることを思い出させてくれます。
この小説はたしかに作者が言われるように、ミステリーなのかもしれないが、我々にとってはそれこそ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!自爆テロ直前、目の前で起きたまさかの政変。25年後の結末が光る快作
タイトルの意味が分かった瞬間、思わず唸りました。前半の仲間たちが犠牲になる重い展開から、いざ起爆ボタンを押す瞬間のまさかの乱入劇には本当に驚かされました。
あそこで他国の強引な介入によって「トリガーを奪われた」からこそ、ベロニカはテロリストとして散るのではなく、亡き恋人が望んだ「対話と交渉」で国を取り戻す道へ進めたんですね。
大国のエゴや国際政治のリアルな苦さも描かれているので、単なるご都合主義にならず、25年後の会話に強い説得力がありました。あの日のカメラマンとの再会から、最後の一文で彼女の現在の肩書きが明かされる締めくくりまで、構成が見事でとても面白かったです。 - ★★★ Excellent!!!この時代、だからこそ。5分後にびっくりの結末。
愛する恋人と仲間を独裁政権に奪われ、復讐のために爆弾を手にした女が独裁者に最後の一撃を加えようとした瞬間、彼女の目の前で起きたのは、予想もしなかった外国による軍事介入。
独裁者は排除されたものの、今度は大国の支配が始まるという皮肉な展開。自由を手に入れることと、真の独立を守ることは別なのだと気づかされる。
特に印象的なのは、25年後の女の姿。
かつては怒りと悲しみに突き動かされ、命を懸けた破壊によって国を変えようとした女が、今や大統領となり、南米諸国をまとめ、外交と粘り強い交渉によって国の主権と資源を取り戻そうとする。
力で変えることしかできないと考えていた女が、対話と政治の力で未来…続きを読む