概要
売った40年より、消えた10年が怖い。
人口減少と財政悪化で社会保障は弱体化し、国家は人間の身体的再生能力を〈生命資産〉として制度化した。金が尽きたとき、人は最後の手段として、自分の寿命を売る。
43歳のMRE特殊事案調査官・神谷レンは、ある朝、自分の残り寿命が30日しかないと告げられる。昨日まで、あと50年は生きられるはずだった。
記録を調べると、レンは自分の意思で40年の寿命を売っていた。署名も認証も本物。処置も正式。
だが、本人にはその記憶がない。
しかも計算が合わない。
40年を売ったなら、残るはずは10年。
では、その10年はどこへ消えたのか。
この世界では、売られた寿命は他人へ渡る。まれに、その中に提供者の記憶や感情の断片が残り、受け手の中で不意に立ち上がる。MRE――記憶残響。
だが、それは証拠ではな
43歳のMRE特殊事案調査官・神谷レンは、ある朝、自分の残り寿命が30日しかないと告げられる。昨日まで、あと50年は生きられるはずだった。
記録を調べると、レンは自分の意思で40年の寿命を売っていた。署名も認証も本物。処置も正式。
だが、本人にはその記憶がない。
しかも計算が合わない。
40年を売ったなら、残るはずは10年。
では、その10年はどこへ消えたのか。
この世界では、売られた寿命は他人へ渡る。まれに、その中に提供者の記憶や感情の断片が残り、受け手の中で不意に立ち上がる。MRE――記憶残響。
だが、それは証拠ではな
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