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「そして」20-22&23.恋文、エピローグ薫風――完結です

長きにわたるお付き合い、本当にありがとうございました。
初めましての方も、再会の方もお会いできて本当に幸せでした。
あなたの次の物語との出会いがどうか素敵なものでありますように!


なお、以下は当作品のあとがきです。
この話ができた経緯などであって、話のこの後の展開やいわゆるキャラ語りなどではありませんので、ご興味のある方だけどうぞ。






前回もお話したのですが、この話は元々友と「恋愛って難しいよね」という話になったのがきっかけで、生まれました。
ちなみに、先に話ができて、タイトルはいざ公開となった時点で「……忘れてた」→10秒程度で決定。
「もうちょっとちゃんと考えるべきだった」と思いつつ前回そのまま、今回も「これはこれでいっかー(適当)」で結局そのまま――そういうやつです(きっぱり)

じゃなく。恋愛が難しいという本題に戻って、と。

人が幸せでいるために大事なことは、自分がどういうふうでありたいかを思い描いて、それに沿って自分の意思と力で立つことだと思ってます。ちなみに、婚姻や経済に関する自立ではなく、もっと本質的な、人間性の自立の話ね。

性質の悪いことに、恋愛は簡単にその過程を歪ませます。

例えば、多くの人が一度くらい夢見たことがある「恋愛」の形として、『いわゆるいい条件の相手が、ダメなところいっぱいな自分を無条件に愛し、言葉にするまでもなく自分の幸せを察して、永久に与えてくれる』ってのがあるように思います。
この場合に必要なのは、自分や相手のための特段の努力ではなく、(偶発的に成立する)「恋愛」のみ。

これが叶うなら「生物」としては最良です。が、シビアな話、そういうのは「人間」には起きないし、そもそも人任せの幸せって本当に難しいです。
恋愛も含めて、幸せは自分で見つけて、必死で努力して得ていくもので、それを維持するためにまた努力して、で、人生は続いていくものなんじゃないかと。

それに気付かないまま、「恋愛」だけにとらわれるようになると、その代償はとても大きいものになります。
分別ある大人が傍にいて、冷静にアドバイスしてもらえる子であればまだましなんですが、世の中、親を含めてそんな大人がいない子もいて、その場合のリスクはさらに大きくなります。

で、「恋愛礼賛! 彼(彼女)を得さえすれば私は幸せ!」以外=「自分のことも相手のことも周囲のことも考えて努力し続けていかないと、恋だけじゃ幸せになれないよー」とかいう誠にかわいくないテーマの話があってもいいんじゃない? ということになりました。

R15にこだわったのも、いわゆる“理想”を具現化した環境やキャラを作らなかったのも、その辺が理由です。
未熟な、特に大人の助けが得られないような子が見て、日常で「ん?」と思ったときに、ちょっと立ち止まってみるきっかけになってくれたら嬉しいなあと。

フィルを主人公にしたのも同じ理由でした。
世間一般でもてはやされるような、いわゆる理想の女性/男性に誰しもなれるとは思いません。でも、それで「終わった」と思う必要はないと思ってます。
努力によって、誰しもその人独自の『素敵』を得ることができる、その上で自分にあう相手と自分の価値観にあった幸せを見つけたらいい!ってことで、フィルは欠点だらけな上、あんな変な子に。

アレックスは、世間一般の価値観に基づいてのいい男ではなく、彼の個性的な相手、つまりはフィルにとっての(必然的に個性的になるだろう)最良が何かということに、とことん向き合おうとするという意味でのいい男にしようと目論みました。
だから彼は、女の子の願望の詰まったいわゆる王子さまキャラではなく、欲望も失敗も葛藤もある、そしてそれをどうにかするために努力する1人の人間です。
それゆえ怒られることもありましたが、完璧人間なんていないって!ってことで、見逃していただければ嬉しいです。

他の登場人物たちについては、主人公たちに都合のいい道具にならないよう、できるだけ現実に近づけたいと野望を企てました。
そのために、彼らの生い立ちや環境、立場、苦悩、人生のイベントによって生じる変化などを、できるだけ緻密に描き出すよう努力したつもりです。
現実、恋愛を含めて自分のために他人が犠牲になる/他人を犠牲にすることを疑問に思わないような感覚を持つことは、特に長い目で見たとき、誰より自分を不幸にします。読んでくださっている方、特にまだ経験の浅い子たちに万が一にでもそんな錯覚を起こさせるのは嫌だなあ、と。

結構悩んで書いてましたので、そんな子たちを好きだと仰ってくださる方がいらして、本当に嬉しかったです。

そんなこんなで書き始めたのが大学在学時、最初の公開がそこから社会人を経た約10年後、そこからさらに結婚して子供を授かっての今回。
その都度、以前の自分と向き合うことになりましたし、感じること、考えることに変化もありました。それぞれの間にいろんな出会いもありまして、前回から改稿している部分も多々あります。が、根本は結局変わらなかったように思います。

それゆえストレスの多い部分もあっただろうと思いますが、それもこの話の一部ということで楽しんでくださったら、最高に幸せ!です。

再会の方におかれましては、以前の印象と異なる部分もあったかと。私、そしてあなたの変化ゆえということで、そこも面白がってやっていただければ、と思います。
当時高校生だった方、新社会人だった方、子育て真っ最中だった方、あの感想をくれた方、この感想をくれた方……皆どうしてるかなあ、と思っていたので、また会えてほんっとうに嬉しかったの。見つけてくれてありがとう!

最後になりましたが、感想などをくださった方には、特に深くお礼申し上げます。
迷うことも多かったので、すべて本当にありがたく拝見し、笑ったり、癒されたり、考えるきっかけにさせていただいたりしました。本当に、本当にありがとう! 大好きです!

では、長いお付き合い、ありがとうございました。
繰り返しになりますが、あなたの次の物語との出会い、そして人生が素敵なものでありますように!

4件のコメント

  • 完結お疲れさまです。恋の、冴えない、そしてで、同じ世界線の3部作、とても楽しめました。まだ名残惜しい気持ちもありますが、また、ユキノト先生の作品を楽しみに待っております。
  • とうとう読み終えてしまいました…。淋しさとともに、感謝の気持ちでいっぱいです。素敵な作品を本当にありがとうございました。
    こちらの文章を拝読して、ユキノト先生の作品に惹きつけられる一因を知る事が出来たように思います。途中読み進めるのを辛く感じても、待っているのは爽やかな読後感。大好きです。
    いつかフィルと 「恋の」ミドガルドのアンリエッタとが絡む日を読む事が出来ることを願い、フィルやアレックス、フェルドリックやソフィーナの新たな物語を知ることが出来る日を楽しみにしております。
  • 完結お疲れ様でした。アンリエッタ、ソフィーナ、フィルの世界に私も暮らして泣いて笑って成長させていただきました!感謝の気持ちで一杯です。次回作をのんびり待ちながら、繰り返しユキノトさんの作品を読んでますね。お体ご自愛ください。
  • 今まで静かに読ませてもらって初めてのコメントなのですがとにかくユキノト先生に感謝を伝えたくて衝動的に(でも悩みまくって)、書いています。
    「そして」からユキノト先生を知り、「恋の」や「冴えない」なども読ませていただきました。
    毎日、更新を確認するのが楽しみで、時間があるときには読み直してフィルの前向きさに元気をもらっていたので完結は少し寂しいですが、この先もユキノト先生の作品を応援したいと思います。ありがとうございました。m(_ _)m
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