最近連載中の自作品が更新出来ておりません。
ちまちまと書いているのですが、中々纏め切れずに難儀しております。年内何とかもう一話上げたいなぁ。
そんな中、一つだけ言い訳をさせて下さい。
以前、近況ノート「本の栞とお礼と宣伝 5」でも紹介させて頂いた
☆海の向こうからのエレジー様
〇Symphonie Un autre monde~異世界でタクトを執る少女
https://kakuyomu.jp/works/16818093089021071233「異世界転生」✕「クラシック音楽」による「異世界交響曲」――はキャッチコピーより。
の所為なのです!(断言)
作品の紹介は重複するため割愛しますが、簡単に説明を。
指揮者である主人公が異世界転生をすると、そこは地球のクラシック音楽が存在する世界で……。と言う物語です。
クラシック音楽に明るくない私でも、すんなりと物語の世界に入り込むことが出来ましたので、クラシック音楽と言う言葉だけで尻込みされている方も、是非お読みになって見て下さい。
それで、作中に登場する素晴らしいクラシック音楽を聴きながらエピソードを読み進めていくのですが、これがまた良いのです。
作中には指揮者たる主人公を通して、その曲についての説明が入ります。
これがまた素晴らしく、まるで美術館を訪れた際、隣に学芸員の方がいらっしゃるかの様な充実感。
作品だけを読んでも、演奏だけを聴いても、片手落ちしてしまうような私の場合は合わせてぴったり。新しい世界にガンガン飛び込んでいけます。
ただ!一つだけ欠点があります!!
それは演奏される名曲たちの、演奏時間問題‼‼
まぁ、現代音楽と比べると長い事長い事。
聴いているときは本当にアッと言うもなのですが、気が付くと経過している時間がヤバイ。本当にヤバイ。
だって、エピソードを二つほど進めると一時間近く経っていることもあるんですもの。キングクリムゾンされた気持ちになれます。
その中でも、今回読ませて頂いた「チャプター5:Tchaikovsky: Francesca da Rimini Op.32」。
そのTchaikovsky: Francesca da Rimini Op.32の感想だけが書きたくて、近況ノートを更新しております。あくまでも素人の感想ですので、そこのところはご容赦下さい。この曲の詳しい説明が知りたい場合は、是非とも該当のエピソードをお読みください。そして全部読むのでーす!
いやぁ、今まではこう、クラシック音楽を聴いていても「うわ、すご」位にしか感じていなかったのですが、Tchaikovsky: Francesca da Rimini Op.32は何と言うか凄かった(これより語彙力低下)。エピソードを読んだ後改めて聴き直したのですが、もう本当に凄くて凄い。
始まりからいきなりヘビーな雰囲気で始まるそれは(ベッドでヘッドフォンを掛けて寝ながら聞いていたのですが)、私的には今にも荒れ狂いそうなほどの厚い雨雲が迫ってくるイメージ。多分、弦楽器が延々と繰り返している音色が否が応でも恐怖心を煽ります。これ、もうホラーじゃない?
初めての出来事だったのですが、心拍数がコントロール出来ないのです。煽られるままに心拍数が上がり続けます。海の向こうからのエレジー様からも教えて頂いた、タムタムのスピードで蹂躙され続けているような気持ちになります。
そして一瞬の空白を置いて聞こえてくる高音の何か(フルート?)多分エピソードにもあったので、あっていると思います(丸投げ)。
嵐の前の静けさとでも言うのでしょうか。まるで場違いなほどにも聞こえてくる、軽やかでかつ忙しなく聞こえてくる高音程の音色が不安を煽ります。ガンガンに煽ってきます。
ホラーって、良い事があった後に怖い展開がやってくるんだよぅ!あたしゃ知ってるんだ!
そしてついにやってくるのです。
盛り上がりが最高潮に達し、ナニカ格好いい低音が響き渡った後に一拍置いてやってくるシンバル(?)
「うわー。ヤバイ」位しか言えません。
圧倒されれるかのような音に感じたのは、ついに振り出した雨。それはもう、ダムが決壊したが如くの大雨ですよ。
シンバルの音が稲光に聞こえます。ガンガン空が光っています。小さい奴から、地上目指して落ちてくるドデカイ奴まで。その音が鳴るたびに体が「びくぅ」ってしてました。これは完全にホラー。映画見てるよりビクビクしてました。
そこからはもう、地面がびっちゃびちゃになるくらいの大雨が暫く続きますが、やがてその大雨も止むんです。
多分、クラリネット?の音が始まるのですが、優しい音が今までの大雨がまるで嘘だったかのように、感じさせてしまいます。
石で出来た家の中で、ホッと一息を吐くようなイメージですが、やってくるんですよ。時折不安を煽るような旋律が。繰り返されることで、私の様な奴でも気が付けました。「あれ?まだヤベー奴、いるじゃん?隠れてるじゃん?」って。
厚い雲の隙間から一条の光芒が地上へと伸びる。それは大雨をしのぐために随分と時が経っていたのか、橙色。
次第に雲の隙間は広がって良き、光芒はやがて柱となり地上へと降り注ぐ。まるで、天使が降臨する前の様に、静謐で侵しがたい光景の様な場面が暫くの間続きます。
そしてやってくる次のパートでは、シーンが家の中に移り抱き合ってくるくると踊り合う恋人がいるかのよう。
めっちゃ盛り上がっていて、一寸下世話な話で申し訳ありませんが、白い布団が意味深に暴れまわっている場面を思い浮かべてしまいました(エヘヘ……)。
エピソード内では「まるで恋愛映画」とのことですが、本当にその通り。クラシック音楽って、映画みたいな映像まで思い浮かぶものなのですね。
でも私、知っているんです。
ホラー映画におけるカップルが持つ意味を。
ほら、またやってきたよ。あの不穏な繰り返しの音が。
あー、やってくるわ。これはやってくるわ。絶対やってくるわ。そう確信できるほどの緊張感が、徐々に絞られていく音量によって高まって行きます。
いるって。いま後ろにいるって。そこまで来てるんです。お二人さん、早く気付いて!
まるで、ドリフのコントを見ているときの様な緊張感。
もう、完全に「志村!後ろ後ろ!」ですよ。
そしてやってきたのはシンバルの音。完全に意識の外に追いやっていたその音に、またしても私の体が「びくぅ」ってするんです。
「やっぱりやないかい!」
先程の大雨がまるで前座のように感じられるほどの大雨が一瞬にして振り出し、濁流が二人の住む石の家を目指して流れだすんです。でもそれに二人は気付いていない。
画面は徐々に遠ざかる様にして石の家を映し続け、もう変えようがない結末を暗示させてぷつりと映像が途切れる。
そんなイメージを浮かべました。
あー、これ、完全にバットエンドじゃん。
救いが無い奴じゃん?
だから言ったんだよ。ホラー映画でのカップルは駄目だって……。
エピソード内での説明では
作品の舞台は『神曲』で描かれた地獄の第二圏。そこにあるのは、色欲に溺れた者たちが荒れ狂う暴風に吹き流される光景。
とありますが、さもありなん。
私の場合は風と言うより雨のイメージでした。
いやー、凄いっすね。クラシック音楽。
幾つかCDは持っていましたがずっと環境音楽として聴いていました。それがもう、これからはそう言った気分で掛けられないかもしれない。
それもこれも海の向こうからのエレジー様がいけないんだ!(暴論)
やっとの思いで一つのエピソードを読み終わり、先に進んで行くと……
「エピソード5:Tchaikovsky: Nutcracker Op.71 (Excerpts)」にて現れる沢山の曲目。
思わず白目を剝きました。
わーお、これ全部聞いていたら時間が幾らあっても足りないわ……。
そんなわけで、現在私はクラシック音楽にどっぷりと浸かっております。そのせいで拙作の続きを掛けないでいるのです(暴論)!
だって、素敵な曲を次々とお出しする海の向こうからのエレジー様がいけないんです(言い訳)!
あー。多分これを書く時間があったら続きを掛けたなーとも思うのですが、Tchaikovsky: Francesca da Rimini Op.32を聴いた後の感情をどうしても吐き出したかったのです。
スッキリした!!
海の向こうからのエレジー様に感謝を‼‼