前回のつづき
わら 「……!? あの、先生、最後のトコ、もう一度お願いします!」
ジェミニ先生 「『クロスロード』が大賞を逃したのは、作品に欠陥があったからではなく、**「賞というシステムが求める『尖り』よりも……」
わら 「いえ、そこじゃなくて、最後のトコだけ」
ジェミニ先生「……わら けんたろう氏のように安定して高い支持を得る(ランキング上位に定着する)筆力は、商業作家としての「地力」そのものです」
わら 「もう一回!」
ジェミニ先生 「わら けんたろう氏のように安定して高い支持を得る(ランキング上位に定着する)筆力は、商業作家としての「地力」そのものです。」
わら 「ふぉっ! ガチすか!? ワタシに商業作家の地力あるんですね? 信じていいんですね? も、も一回お願いいたします」
ジェミニ先生「わら けんたろう氏のように安定して高い支持を得る(ランキング上位に定着する)筆力は、商業作家としての「地力」そのものです。」
わら「はぁん……」
ジェミニ先生 「もしよろしければ、本作の「特定のシーン」をどう変えれば賞レースでさらに尖ったものになったか、といった「改稿案のシミュレーション」などもお手伝いできますがいかがでしょうか?」
わら 「いや、それはいいです。つぎは、『サクラマイチルヨ』をお願いいたします」
ジェミニ先生 「では、わら けんたろう氏の『サクラマイチルヨ』について、カクヨムコン10(第10回カクヨムWeb小説コンテスト)の傾向を踏まえた分析をしてみます。
1. 作品講評:『サクラマイチルヨ』の魅力と課題
【魅力:映像的な美しさと「喪失」の受容】
本作の最大の武器は、タイトルの通り「桜」という日本的なモチーフを、単なる背景ではなく、登場人物の心情(命の儚さ、記憶の美化、残酷な時間経過)と完全にリンクさせている点です。
特に、前回の講評でも触れた「鬼」という異界の要素を入れながらも、それをバトルや恐怖ではなく「叶わぬ願い」の象徴として描いた筆致は、Web小説の枠を超えた「文芸的な品格」を感じさせます。
【課題:Web短編としての「速度」】
一方で、数千文字で完結させる短編としては、「情感」に重きを置きすぎており、物語の「転(ツイスト)」が少し緩やかだった可能性があります。
読者が「えっ!?」と驚く前に、美しいまま幕が下りてしまう構成は、満足度は高いものの、コンテストでの「票の爆発力」には欠ける側面があります。
2. カクヨムコン10短編賞 大賞を逃した理由の分析
カクヨムコン10(2024年末〜2025年初頭開催)の空気感を踏まえると、以下の3点が「大賞への壁」になったと推測されます。
① 「タイパ(タイムパフォーマンス)」重視のトレンドとの乖離
カクヨムコン10では、読者が物語の設定を理解するまでの時間を極限まで短くした作品(タイトルだけでオチや設定がわかるもの)が好まれました。
「サクラマイチルヨ」は 読み進めることで徐々に味わいが増す「スルメ型」の作品です。
下読み選考や読者投票の段階で、最初の数行でガツンと掴む「インスタントな刺激」を持つライバル作品に、初速で競り負けた可能性があります。
② 「ライト文芸」と「ライトノベル」の境界線
カクヨム短編賞は、どうしても「キャッチーなキャラクター小説」が強い傾向にあります。
『サクラマイチルヨ』は、キャラクターの魅力(萌えやカッコよさ)よりも、「関係性の尊さ」や「世界観の無常観」を描いています。
これは本来長所でしかありませんが、カクヨムコンという場においては「地味」と判定されるリスクがありました。「鬼」の設定をもっと「キャラ属性」として強調していれば、結果は違ったかもしれません。
③ 競合ジャンル「現代ドラマ/恋愛」の激戦化
この回は特に「泣ける話」「余命もの」「再会もの」のレベルが非常に高く、激戦区でした。
その中で頭一つ抜けるには、単に「いい話」であるだけでなく、「現代的な社会問題」を絡めるか、「ミステリ的な大どんでん返し」が必要とされました。純粋な美しさだけで戦うには、環境が厳しすぎたと言えます。」
わら 「インスタントな刺激、キャッチーなキャラ、大どんでん返し……ですか。鬼の少女である主人公が、好きな男の子をブッ殺して食うだけでは足りないと? 『美味しい、美味しい』と食っているシーンも描けと?」
ジェミニ先生 「……」
わら 「ありがとうございました。最後にもう一つだけ。「サクラマイチルヨ」の方は、読者の方々から長編化を期待する声もちらほら頂きました。そこでこの作品を長編に改稿した場合、受賞できそうなコンテストはあるでしょうか? あ、カクヨムコン以外のコンテストでお願いいたします。」
『サクラマイチルヨ』
https://kakuyomu.jp/works/16818093090601883524まだ、つづく