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自信ないから没にしたほうがいいんじゃないかと思っている作品①

今、毎日新作コネコネしてます。
上手に書けた気がするけれど、題材的にウケるのは難しそうなんじゃ……
って、思い悩んでいる作品上げます。
なんか、これだ!っていう作品を書くのが難しいね……

【転生鷹匠、戦乱の異世界で最強の相棒と成り上がる】

1.鷹匠、鷹と一緒に転生する

 小さい頃、図書館で見つけた一冊の本。そこに載っていた鷹の写真に、私は心を奪われた。

 鋭い瞳。空を裂くように広がる翼。誰にも縛られず、大空を駆けるその姿が、どうしようもなく格好良かった。

 それから私は、鷹のことばかり調べるようになった。そこで知ったのが、鷹匠という職業だった。

 鷹と共に生きる人たち。相棒として空を駆け、信頼を結び、共に狩りをする存在。

 私も、なりたい。

 その想いだけを抱えて、高校卒業と同時に現役鷹匠へ弟子入りを志願した。

 そして、そこで出会った。私の人生を変えた、一羽の大鷹。

 セキ。

 まだ若かったセキは、本当に手がかかった。気性が荒くて、自我も強くて、全然言うことを聞かない。気に入らないことがあればすぐ飛んでいくし、鋭い爪で引っかかれることだって何度もあった。

 それでも私は、そんなセキに夢中だった。

 鋭くて、美しくて、誇り高い。だけど、ただ荒々しいだけじゃない。こちらをじっと見つめる瞳は賢くて、どこか優しさすら感じた。

 この子と一緒に飛びたい。この子の相棒になりたい。

 そう願って、私はセキを担当したいと頭を下げた。そこからは、毎日が必死だった。

 朝早く起きて世話をして、体調を確認して、訓練して。失敗して、逃げられて、落ち込んで。それでも諦めきれなくて、また向き合った。

 少しずつ。本当に少しずつだけど、セキは変わっていった。

 呼べば戻ってくるようになった。手に乗ってくれるようになった。私を見る目も、ほんの少し柔らかくなった気がした。

 嬉しかった。信頼してもらいたくて、認めてもらいたくて、私は夢中で努力した。

 そして気づけば、私たちは誰より息の合ったコンビになっていた。

 風を切る音。手に伝わる重み。空から真っ直ぐ戻ってくる姿。全部が大好きだった。セキといる時間は、私にとって何より大切な宝物だった。

 辛いことがあっても、セキがいるだけで頑張れた。あの子が隣にいてくれるだけで、毎日が幸せだった。

 ……だけど。そんな時間は、永遠じゃなかった。

 二十年近く一緒にいたある日、セキは静かに息を引き取った。

 分かっていた。鷹の方が先に逝くことなんて、最初から分かっていたはずなのに。受け入れられなかった。

 世界から色が消えたみたいだった。私は鷹匠を辞めた。

 私の相棒は、セキだけだったから。誰にも代わりなんて出来なかった。

 ……だから。もう、いいかなって思った。セキのいない世界にいる意味が、分からなかった。

 会いたい。また、あの子を抱きしめたい。また、一緒に空を見たい。

 その想いだけを抱えて、私は走るトラックの前へ飛び出した。

 ◇

「あれ……ここは?」

 気がづくと、白い空間にいた。他には何もない。ここは一体……。

「目が覚めましたか?」

 その声にビックリして振り向くと、美しい女性が立っていた。

「あなたは?」

「女神と名乗っておきましょうか。あなたに感謝を伝えたくてここに呼んだんです」

「感謝?」

「昔、川に流された子ウサギを大鷹のセキで助けてくれましたね。あの子は神界から抜け出した部下だったんです。力の制御が出来ずに為すすべないところを助けてくれました」

 そういえば、そんなことが昔あったような気がする。そんな何年も前のことでわざわざ感謝をしてくるなんて、部下思いの人なんだ。

「その感謝の印に、特別な能力を授けて異世界に転生させてあげましょう」

「能力を持って、転生?」

 まさか、これってラノベにあった展開? 能力を持って転生するのは面白そうだけど、そんなことが出来るなら――。

「私のことはどうでもいいの! セキとずっと一緒にいられるようにならない? 私、まだセキと一緒にいたいの!」

「本当にそれで宜しいのですか?」

「出来れば、誰にも負けないくらい強く! セキがどんなことがあっても死なないように!」

「……分かりました。それがあなたの望みなら、そうさせてもらいましょう」

 本当に……話を聞いてくれた? じゃあ、転生後はセキと一緒に?

「さぁ、異世界に送りましょう。第二の人生、セキと常に共にあらんことを」

 女神が微笑むと、私の意識がなくなった。

 ◇

 ふわりと、意識が浮かび上がってくる。

 ぼんやりとした感覚のまま目を開けると、視界に映ったのは見覚えのない天井だった。

 ……ここ、どこ?

 そう思いながら体を動かそうとして、違和感に気づく。思うように力が入らない。ゆっくりと手を持ち上げる。

 そこにあったのは、丸くて小さな手だった。短い指。ぷにぷにとした柔らかな肌。どう見ても、大人の手じゃない。

 そこで、ようやく理解する。私……転生したんだ。だから赤ちゃんなんだ。

 その時、不意に影が差した。

 何かが、上からゆっくりと降りてくる。視線を向けた瞬間――私は息を呑んだ。

 そこにいたのは、一羽の大鷹だった。鋭い鉤爪。力強く湾曲した嘴。濃い茶色の羽毛は艶やかで、陽の光を受けて美しく輝いている。

 そして何より、その瞳。金色に近い鋭い双眸が、じっとこちらを見つめていた。

 一瞬見ただけで分かる。忘れるはずがない。あの誇り高くて、真っ直ぐな目を、私は何千回も見てきた。

 セキだ。セキがいる!

 ずっと、ずっと会いたいと願っていた相棒が、今、目の前にいた。胸の奥から込み上げてくる感情に押し潰されそうになる。

 私は震える小さな手を、必死に伸ばした。すると、セキはゆっくりと頭を近づけてくる。

 そして、ふわりと柔らかな羽毛が、私の頬を優しく撫でた。昔と変わらない仕草だった。

「……ずっと、会いたかった」

 低く、落ち着いた声。その瞬間、思考が止まった。えっ、喋った?

 いや、それよりも。そんなことよりも。

 私だって。私だって、ずっと――。

 涙が溢れて止まらなかった。私は小さな両手で、夢中になってセキの羽毛を掴む。

 指先に伝わる感触。温もり。柔らかな羽毛の下に感じる、確かな命。全部、覚えている。

 何度も撫でた。何度も抱きしめた。世界で一番、大好きだった相棒。もう二度と会えないと思っていた。置いていかれたと思っていた。

 なのに、セキはまた私の前に現れてくれた。ぽろぽろと涙を零す私を見て、セキは優しく目を細める。その瞳は、昔と何も変わっていなかった。

 ああ。私はまた、この子と生きていけるんだ。また一緒に空を見て、また一緒に飛べるんだ。

 胸を満たしていた喪失感が、少しずつ温かいものへ変わっていく。まるで、止まっていた時間が動き出すみたいに。

 今度こそ、最後まで一緒にいよう。

2.ロネ、六歳

「いっけー! セキ!」

 森から出てきた猪を指さすと、空を飛んでいた大鷹が急降下してきた。すぐに猪に鉤爪を突き立てると、軽々と持ち上げて空へと飛んでいく。

 そして、高い空から猪を落とす。衝撃で猪は一瞬で絶命した。それを見届けた大鷲が私の前に舞い降りる。

「仕留めたよ。偉い?」

「偉い、偉い! セキは良い子だね!」

 ピョンって跳ねて近づいてきたので、その体を抱きしめた。頭を撫でると、やわらかい羽毛がとても心地いい。

「じゃあ、孤児院に持って帰ろうか。セキ、お願いできる?」

「分かった。じゃあ、先に行ってくるね」

 そう言うと、セキは猪を掴んで空を飛んで行ってしまった。私は駆け足で孤児院へと戻っていく。

 この異世界に転生して六年が経った。普通の家で生まれた私は、赤ちゃんの頃に孤児院に捨てられた。

 私が卵を持って生まれてきたのが原因らしい。その卵からセキが生まれ、一日で大人の大鷹に成長した。

 それを気味悪がったのだろう、両親はあっさりと私たちを孤児院に捨てたのだ。

 だけど、そんなことはどうでもいい。死に別れたセキとまた一緒にいられるのだから。生きていられるのだったら、どこだって構わない。

 厳しい生活の中だけど、セキと一緒にいられる日常が何よりも楽しかった。

 ◇

「あっ、ロネが帰ってきたよ!」

「ロネー、おかえりー! セキが猪を持ってきたぞ!」

「今日も大量だね!」

 町外れの孤児院に帰ると、私の帰りを待ってくれた子供たちが出迎えてくれた。

「ただいま! セキと猪は?」

「中庭で解体してるよ。セキはおこぼれが欲しくて、そっちに行っているみたい」

「分かった!」

 話を聞き、急いで中庭に走っていく。すると、中庭では院長が猪を解体しているところだった。

「はい、セキ。食べていいですよ」

「やったー!」

 猪から取り除いた内臓をセキの前に出すと、セキは嬉しそうに啄んだ。

「あっ、セキだけ先に食べてずるいんだー!」

「ふふっ。ロネ、おかえりなさい。つい、先にセキに与えてしまいますね」

「私が取ってきた獲物なんだから、先に私が食べるのが当たり前」

「もう……私が追い立てたから捕まえられたのに」

 全く、セキは食いしん坊なんだから。そうしている間にも、院長は手際よく猪を捌いていく。そして、肉の一部を紙で包むと、私に差し出してきた。

「では、ロネ。この肉を売ってきてくれませんか?」

「うん、任せて! 何か買ってくる物はある?」

「今日は大丈夫です。糧を得られて、二人には感謝をしないといけませんね」

「えへへ。じゃあ、セキ、行こう?」

「……院長、内臓残しておいてね」

「分かってますって。いってらっしゃい」

 肉をセキの背中に括りつけ、私はすぐに孤児院から飛び出していった。

 ◇

「おじさーん! お肉持ってきたよー!」

 お店に入り、声を張り上げる。視線を向けると、カウンターにはおじさんと背の高い女性が話しているのが見えた。

「おっ! 噂をすればなんとやら! ロネ、待っていたぞ!」

「どういうこと?」

「丁度、この傭兵さんが肉を買いに来たんだよ。だから、この人に肉を売ってくれねぇか?」

 おじさんがその人を指さすと、振り向いた。赤い髪を一本に結いあげ、精巧な顔つきをしている。体つきはがっちりとしていて、腰には大きな剣をぶら下げていた。

 その傭兵の女性がにこやかに笑った。

「やぁ、お嬢ちゃん。もし、よければ私に肉を売ってくれないか? この肉屋よりも高く買わせてもらうよ」

「えっ、本当!? だったら、売る!」

 肉屋のおじさんよりも高く買い取ってくれるんだったら、絶対に売る! 一ペルでも高い方に売る!

 そうして、セキの背中に括りつけた肉を取り外して、手渡した。

「……大鷹の背に肉?」

「私の相棒のセキだよ。とっても強くて頼りになるんだ」

「こ、こんなに大きな肉を背負ってここまで来たのか……。君の相棒はとても強いんだな」

 そうそう、セキはとっても強くて賢くてカッコいいんだ!

 お姉さんはお肉を受け取ると、中身を確認して、満足げに頷いた。

「とても良い肉だ。高く買い取らせてもらおう」

 そう言って、私の手に一枚の硬貨を握らせてきた。見てみると、それは大銀貨だった。

「じゅ、十万ペル!? い、いいの!?」

「それぐらいの価値はあると見た。だから、受け取ってくれ」

「こんなに高く買い取ってくれるんだったら、今度からお姉さんに売る! というか、今からでも新しい肉を狩りに行ってくるよ!」

 いつもよりも三割増しだ。これは肉を売りつけて、お金を稼ぐチャンスだ。

 張り切る私を見て、その女性は笑った。

「逞しい子だな。だけど、しばらくは町の外に出ない方がいいぞ」

「どうして?」

「私たちスペクトル傭兵団は領主に雇われてやってきた。他郡で大規模な賊の集団『ブルーギル』が討伐されたそうなのだが、かなりの数を討ち漏らして、各地に散らばったらしい。青頭巾を被った集団でな、その賊の集団がこの地方に向かっていったという情報が入った。だから、今は外に出るのは危ない」

 賊の集団が、この町に?

「本当に安全になるまでは、孤児院に籠っていなさい」

「……分かった! お姉さん、教えてくれてありがとう!」

 セキが強いと言っても、流石に大人数の賊は相手には出来ない。ここは、お姉さんの忠告通りに孤児院に籠っていよう。

 私はそこでお別れを言うと、孤児院に走って戻っていった。

3.セキと私の力

 孤児院に戻った私はお姉さんから聞いた話を院長に話した。院長は私の外出は禁止して、孤児院の中にいるようにと強い口調で言ってきた。

 他の子供たちに私が出ていかないように見張るように、という徹底ぶりだ。こうなってしまえば、私はセキと外に狩りに行くことが出来ない。

 その夜、私はベッドの中で呻いた。

「うぅ、町の外に出れなくなるなんて……。獲物を捕らえないと、孤児院の食料事情が悪くなる」

「それは困った。早く、賊が見つかるといいけど……」

「……はっ! だったら、私たちで見つければいいんだよ! あの能力を使って」

「なるほど、それがあったね」

 転生してセキには特別な力が宿った。喋る能力、何でも見通せる目、通常よりも強い力、尋常ではない速さ、そして私と感覚を共有する能力。

「じゃあ、ちょっと見てくるよ」

 セキが動き出すと、私はそっと窓を開けた。セキがそこから飛び立つと私はベッドに潜り込む。そして、感覚共有でセキと繋がる。

 すると、セキの視界が頭に浮かぶ。夜空を飛んでいる光景が見えてきた。

『久しぶりの夜の散歩は気分がいいね、星空が綺麗だよ』

『ロネを掴んで飛んだこともあったよね。そして、院長に怒られた』

『あの時の院長は怖かったね……。次は絶対にバレないようにしなくっちゃ』

 セキの視界の景色が見え、離れていても会話が出来る。これが、私たちの特別な能力だ。

『セキ、夜だから火を焚いている可能性がある。地上で火の気配を探して』

『了解』

 指示を出すと、セキの速度が上がった。まるで、走る車のように速い。流れていく景色を眺めていると、地上に明かりが見えてきた。

『へぇ、こんな森の中に灯りがねぇ。セキ、下りて確認』

『了解』

 めちゃくちゃ怪しい。セキに指示を出すと、ゆっくりと舞い降りていく。木の枝に降り立ち、灯りの中心を見る。

 火を囲むように粗暴な男たちが談笑しながら話し合っていた。

『町に着くのは三日後か。くっくっくっ、楽しみだな。早く、なぶり殺しにしてやりてぇ』

『俺は女を犯してやりてぇよ。逃亡生活でご無沙汰だったからなぁ……』

『おいおい、あんまり酷くするなよ。町を占領すると、奴隷としても売り払えるんだからな』

 聞こえてくるのは、下卑た話題。こんな賊が町を襲ってくると思ったら、背筋が震えた。絶対にこの賊を町に近づけさせたらだめだ。

『セキ、人数を数えて』

『了解』

 まずは、敵の様子を窺う。どれくらいいるか知らなければ、対策を取りようがない。

『数は468』

『結構、数が多いね』

 スペクトル傭兵団がどれくらいの数がいるのか知らないけれど、この数は対応出来るんだろうか? もし、対応出来なかった場合、何か他の対策を考える必要がある。

『セキはそのまま賊の様子を監視して。明日の朝にスペクトル傭兵団の人に話してくる』

『だけど、私たちの話を信じてくれないと思う』

『あー……その問題があったか』

 確かに、こんな孤児の話を信じてくれそうもない。セキの能力を伝えても、信じてもらえるかどうか……。

 そうだ、何か証拠になるものを手に入れれば信じてくれるんじゃない。あのお姉さん、青頭巾を被った賊の集団って言っていた。だから、青頭巾を手に入れれば私の話を信じてくれるかもしれない。

『セキ、青頭巾を一つ取って、戻ってきて』

『了解』

 すると、セキが飛び立ち、眠り込んでいる賊に近づいた。そして、そっと青頭巾を取り外すと、空へと舞い上がった。

『任務完了。帰るね』

『うん、お願い。私は先に寝てるね、お休みー……』

『ロネ、ずるい!』

 セキの抗議の声が聞こえてくるが、眠気には勝てない。私はそのまま意識を手放して、寝入った。

 ◇

 翌日、朝食を食べた後、すぐにスペクトル傭兵団に会いに行った。場所を知らなかったので、肉屋のおじさんに居場所を教えてもらい、その場所に向かった。

 その場所は村の外れ。近づいていくと、無数の天幕が張られていて、傭兵と思われる人々が朝の時間を過ごしていた。その中に昨日見た赤髪のお姉さんがいた。

「あっ、お姉さん!」

「ん? あれ、ロネじゃないか。どうしたんだ?」

「これを見て!」

「こ、これは!?」

 出会って早々に昨日セキに取ってきてもらった青頭巾を見せた。それを見たお姉さんは顔色を変える。

「これを、どこで!?」

「セキにブルーギルを探してもらって、取ってきてもらったんだ」

「えっ? そ、そんな事が?」

 正直に話すとお姉さんは戸惑った様子だった。だけど、その慌てぶりに周りの傭兵たちが近づいてきて、青頭巾を見て驚愕している。

「それは、まさしくブルーギルの頭巾!」

「ど、どうして!?」

「お、おい! これをどこで!」

「なんだ! 騒がしい!」

 慌てる傭兵たちの声をかき消すような大声が聞こえてきた。視線を向けると、二メートルはあるであろう大柄で髭面なおじさんがこちらに近づいてきた。

「団長! 見てください! ブルーギルの頭巾だ!」

「……ほう、本物みてぇだな。どうしたんだ?」

「えっと、この少女の大鷹が取ってきたみたいなんです」

「……おい、本当か?」

 ギロリと鋭い目がこちらに向く。その圧に体が震えるが、私は頷いて見せた。

「本当だよ。私が命令して、取ってきてもらったの。それだけじゃない。賊の集団の居場所も数も分かっているよ」

「どうして、そんな事が分かるんだ?」

「私、大鷹のセキと感覚が繋がっているの。だから、セキの見た物、聞いたもの、嗅いだものが分かる」

「……にわかには信じられねぇ。証明出来るか?」

 その言葉に私は後ろを向いて、耳を塞いだ。

「セキに見せた物を言い当てらて、小声も聞こえるよ」

「……これはどうだ」

「団長の右手」

「――――」

「お前は何歳だ、かな」

「ほう……」

 周りが凄くざわめいた。本当に言い当てられると思っていなかったらしい。

 振り返ると、団長は難しい顔をして考え込んでいた。緊張して待っていると、団長と目が合った。そして、ニッと歯を見せて笑う。

「面白れぇ。ちょっと、協力してくれねぇか?」

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