ざざーん。
ざざーん。
日本海を望む国分浜は陽が落ちて真っ暗。
伏木から雨晴に向かう氷見線の灯りがトンネルに消えていく。
僕は一人で防波堤の上に座って、ずっと黒い波を見ている。
遠くにいる船は、きっと北朝鮮の工作船。
一人でいる人を海の向こうへと攫っていってしまうのだろう。
よく分からない言葉で喚き立てられて、腕を掴まれてしまう。
そういう意味では、僕の働いているところとおんなじだ。
そういう意味では、僕が書いているこの場所とおんなじだ。
お前は、人と接する仕事をしない方がいいと。
何かにつけて日の目を浴びる言葉の羅列が、僕にとっては異国のまじないだと。
そういったものが一緒くたになって僕を苦しめている。
ああ、よく分からない白面の何某よ。
己の自尊心を傷つけ踏み躙るのはやめたまえ。
もしかするとそれが、己の臆病さと逃避の悪癖のせいとは知らずに。
もしかするとそれが、諦念と厭世と、ちょっとばかしの人嫌いの結果によるものだとして。
己に、一間の安寧と祈りの時間を与え給え。
死ぬのは怖い。
今まで何度も、築いてきたものをその手で崩してきた。
ただ、億劫だという刹那の怠惰さでもって。
この先の人生、そういった者にも救いの手を差し伸べてくれるのだろうか。
ざざーん。
ざざーん。
波は、ただ音を立てている。