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ギフトありがとうございます!

お久しぶりです!
相変わらず雪那はもそもそあれ書きたいこれ書きたいと作ったりボツにしたりとまとまらなく作品の冒頭だけを増殖させている状態ですw
いや、私的には一番ここが楽しい所で、これを抜けると作品が勝手に走り出すっていう状態になるのですけどね。
なかなか難しいですわw
 
そんな感じでの息抜きですがどうぞ。

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成長期って感じ?←タイトル
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「橘隊長!古川が!!!」
「分かってる!」
 
 そう言って俺は目の前に立ちはだかる魔象を黒様が落としていった剣を使いその首を切り落とし、すぐさまアイテムボックスから一つのペットボトルを取り出して古川と言われた隊員の背骨でやっとつながっていると言うような傷口を周囲の隊員の協力を得て体がくっつくように支えてもらいもったいないなんて考えずに空になるまで傷口にかけた。
 奇跡のごとく瞬く間にふさがった。
 水で隊服に滲む血の量に

「失ったものは取り戻せません。あくまでも肉体の修復しているだけです。
 安全の確保を!」

 臓器がずれたとかそう言った事は一切考えずにこの奇跡を信じて俺は空になったペットボトルを握りしめていれば

「……っは……」

 骨だけでつながっていたけど説明が欲しいほど奇跡的に復活した古川隊員はのどに詰まっていた血を吐き出して自力で体を起こした。
 これで大丈夫だなんて何回見てもファンタジーだ。

 当の本人は何が起きたかわからないという顔で周囲を確認するその動作。
 あんなくっつけ方でも回復したことの驚きを橘は顔に出さないように表筋には頑張ってもらっている。
 本人は何が起きたか理解して顔を青ざめさせていくけどそれとは対照的に周囲は歓喜の悲鳴を上げての大号泣。
 理解が追いつかないではなく周囲のむさくるしさに古川でなくともドン引きだ。

「よく還ってきた古川っ!!!」

 本来の隊長だった加藤さんが回復したばかりの古川さんを抱きしめる。
 そしてやっと理解したと言うように、どこかぎこちなく周囲を見回し……
 生き地獄に還ってきたことを理解して項垂れるように加藤さんの肩に顔を押し付けていた。



 帰りを待つ人のいない人間で構成されたダンジョン対策課のメンバーはどこか家族のいる場所に逝きたいという感情を抱えている人間は決して少なくない。
 かつての俺もそうだったが古川もそっちだったかと思えば俺は加藤さんから古川を引き離して

「最初にも言ったが俺の部隊にいる間は誰も死ぬことは許さない。
古川隊員には貴重で希少なエリクサーを1本全て使った。
1本あればどれだけの隊員が救われるか考えた事があるか?」

 助けてくれなんて言ってないと言うような顔を俺は無視して言葉を紡ぐ。
 
「この1本で今もスタンピードで負った怪我に苦しむ一般人の人がどれだけ癒されるか考えた事があるか!」

 身勝手な考えは許さないと言うように言い含めることが出来る俺はかつて俺もそちら側にいたからだろう。
 そして今は敵は倒せる相手という事を何度もこの体で学んだからこそ言える言葉がある。

「自分の弱さはどれだけ綺麗ごとを並べても見苦しいままだ。
 そんな姿で胸を張って会いたい人の前にお前は立てるのかっ?!」
 
 俺の本心に古川ははっとしたように目を見開き

「申し訳ありません」

 心当たりがあるのだろう。恥じるかのような弱弱しい声、分かってくれたというその反応に安心をして古川を加藤さんに任せる。

「今日の訓練はここで終了する。
 本日の予定は明日に繰り越しとする。
 加藤隊員、食料の調達とキャンプの準備を!」

 本日は魔象を倒した15階のセーフティーゾーンでキャンプをすると言えばすぐに采配をする加藤隊員。
 慣れたように指示を飛ばしすぐに休息の為の準備をしてくれた。
 ただし、古川さんを除いて。
「加藤隊長申し訳ありません」
 古川はそういって加藤隊員に頭を下げるも
「今はちゃんと休みなさい」
 そう言って壁に向き合う様に横になって目を瞑っていた。
 どこか震えている背中を俺は眺めながら
「申し訳ありません。
 古川隊員を危険な目に合わせてしまって」
 加藤隊長に頭を下げる。
 古川隊員の本来の隊長にこんな事になってと頭を下げれるのはこんな出来事が日常であったからだ。
 頭を下げながら源泉水マジヤバイ、なんて相沢の口癖を俺の脳内でも繰り返してしまう。
 相沢達と一緒にいた時は生き延びる事と相沢の庇護下に居る事からの謎の安心感からこういった事を一切気にした事なかったけど。
 いざ相沢の立場になると源泉水の力の凄さほんとヤバいと理解できる。そしてそれを安全に持ち運べる収納の安心感に感謝した。



 そんなマゾ狩り、ではなくダンジョン対策も終わり19階まで阿鼻叫喚の散歩を終えて帰った所で結城一佐から指令所をもらった。
 只今絶賛強化中の加藤班を連れて内田班と合流してお伊勢さんダンジョンに探索することになった。
 内田班は三輪さんと共に俺同様マゾ狩りの強化合宿をしている。
 人の心の負が集まる所が多い場所に発生することの多いダンジョンはお寺や神社、人が集まる所に発生しやすい傾向がある。
 そうなるとなんで相沢の家にダンジョンが発生したのかと思うも可能性として相沢は言った。


「秋葉ダンジョンの生放送に遅れてネットのLIVE観てたんだけど、なんかちょうどキリバン踏んだかなんかでお祝いしてもらったんだけど、キリバンってなんだ?」


 全く興味ないという今時の子供の顔での疑問だがそこは同じ年の岳が説明していた。
「キリの良い数字を踏んだからに決まってるだろ!」
「ああ、それがキリバンって言うんだ」
 
 全く興味のかけらのない顔で言うからスルーしたけど、まさかのちょうど10億と言う数字。
 10億か……
 あのグズグズの秋葉ダンジョン攻略、通りすがりの人も含めてそれだけの人が視聴者数が見ていたのかと当時俺は現場で見ていた数の一人だったが……

 それが相沢の不幸の始まりだとは言わない。
 彼はそれより以前に不幸だったのだからその程度を不幸とは言わない。
 決して彼にとったらいきなりラスボスのダンジョンが発生したとはいえそれ以上にトイレ紛失と言う大問題の方に全部をもっていかれたのだ。
 あの深淵を一度でも覗き見れば相沢の嘆きも理解できる。
 いや、理解するしかない。
 
 とは言えいくらレベルを上げしても一番レベルの弱かった俺。
 一人嘆く俺にそっと協力してくれたのがイチゴチョコ大福。
 秋田犬系雑種のもふもふ三匹犬で、ご飯の時のお肉の骨を上げていたからだとは考えない。
 彼等とは違い走るのが遅ければ後ろから尻に向かって咬みつこうとするスパルタぶり。
 そして疲れて意識を失えば小さな体でも俺を安全な場所まで運んでくれる優しさと、問題のマゾを倒す為に何度も、それこそ自信がつくまで付き合ってくれる懐の深さ。
 途中から雪がイチゴチョコ大福だけじゃ心配だからとニャンズ達も同行させてくれるくらいの安全の中で俺は一撃でマゾ倒す程度に強くなることが出来た。間違っても餌係がいれば遠出が出来るなんて考えない。
 そうやって何度も何度も繰り返して自信をつけさせてくれる訓練にいつしか一人で瞬殺できるくらいに、そして魔象の群れと出会っても一人で対処できるくらいに鍛え上げられ……

 今こうやってその指導を伝える役を与えられ、いかに師匠たちから学んだことを広められるか、そして厳しさの中の優しさに気付けられるか、それがどれほどの救いになるかを俺は生きる道として見出した。

 もちろんそれは俺だけでなく三輪先輩もで。

「よお、橘。いい感じに教育係の顔になって来たな」
「三輪先輩、それってどんな顔ですか」

 今回の訓練の確認の為に合同訓練が開催され、ひと月ぶりの三輪先輩と再会。
 イチゴチョコ大福達に鍛えられていた時とは違い自慢の教え子を率いた俺達の顔は何処か晴れ晴れとしていて……

「ここにも犠牲者が。
 まさか犬猫式スパルタが人間にも通用するとは世も末だな」

 今回同行する林はどうようにひと月ぶりに再会した同じ竈の飯を食べた仲間の成長ぶりにそれでいいのかと一人自問自答するのだった。





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