最後までお付き合いいただきありがとうございました。完結しているものは一気にあげたい性分で、大量投稿って何話まで可能なの? と、おびえながら投稿していました。特にカクヨム運営様から怒られずにすみ、よかったです。
♡も☆も大変嬉しいです。「いつもありがとうございます」の人から「初めまして」の人まで感謝です。
もう一つ、改稿して10万字越えた作品があるのですが、恋愛か? 女主人公か? ちょっと分からず保留にしている作品があります。カクヨムコンが終わったら投稿するかもしれません。もし目にとまり、好みに合っていましたら、またお読みいただけると嬉しいです。
@leo601様からレビューをいただきました。いつもありがとうございます。小躍りしております。「魅力的なのが子供たち」とお褒めいただいたので、レオナール視点、クラリスお留守番をSSとして書いてみました。@leo601様、♡・☆、フォローをくださった方、これから♡・☆・フォロー、感想をくださるであろう方(笑)に是非お読みいただきたいと思います。
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「お父さま、お母さまは?」
クラリスはそう言って、きょろきょろと部屋を見回した。
「ん? クラリス。説明しただろう? 今日は大事な用事で出かけたんだ」
できるだけ穏やかな声で答えながら、思わず苦笑が漏れる。
これで、朝から六回目だ。
「お兄さまは?」
「ラルも一緒だよ」
その言葉を聞いた途端、クラリスの肩がわずかに落ちた。納得したわけではないのだろう。ただ、これ以上聞いても答えが変わらないことを悟ったらしい。
今日はこの繰り返し。
クラリスは、とぼとぼと部屋の隅へ歩いていく。その小さな背中が、さらに小さく見えた。
「じゃあ、お父様と遊ぼうか? そうだ、本を読んであげるよ」
機嫌を取ろうと明るく言ったつもりだった。
だが、クラリスはちらりとこちらを見ただけで、
「いらない」
と、きっぱり言い放つ。
「……」
言葉を失うとは、まさにこのことだった。以前のクラリスは、こうではなかった。「大きくなったら、お父様と結婚する」そう言ってくれていたのに。寂しい……。
「……いつ帰ってくるの?」
「出かけたばかりだから、まだまだ帰ってこないよ」
「本当に、帰ってくる?」
疑うような声。
「クラリスがお昼寝して目が覚めたら、帰ってきているんじゃないかな」
そう答えるしかなかった。
「……分かった。お昼寝する」
クラリスはそう言うと、私の返事も待たずに部屋を出ていった。
小さな足音が廊下の奥へ消えていく。
ふぅ、これでしばらくは時間稼ぎができるかな?
そして、お昼寝が終わる時刻。
クラリスの部屋から泣き声が聞こえた。
「どうしたんだ、クラリス!」
大泣きのクラリスに駆け寄り、ベッドの横に膝をつく。
「お父さまの嘘つき! お母さまも、お兄さまも、いない……」
そう言って、クラリスは布団を頭まで引き上げ、声を押し殺すように泣き始めた。
「また、ひとりぼっち……」
クラリス、お父さまはいるよ……?
そう、言おうとしたが、“また”、という言葉に私が知らなかったクラリスの悲しみが込められているようで何も言えなかった。
――ああ、私はなんて罪深い。
そのときだった。
窓の外から馬車の音が聞こえてきた。
よかった、二人が帰ってきた。
急いで玄関に行き、クラリスの様子を説明する。
三人でクラリスの部屋に行き、アイラが声をかけるが、無言。
駄目か……。
するとラルが何かを思いついたように、ベットのそばでアイラに話しかける。
「お母様、せっかくリズの好きなイチゴのケーキを、王宮からもらってきたけど……」
ラルはわざとらしく間を置き、
「ぐっすり寝ているようだし、起こすのもかわいそうだよね。お父様と三人で食べましょうか?」
次の瞬間。
ばさっと勢いよく布団がめくれ、クラリスが飛び起きた。
「起きてる! 私も食べる!」
思わず、笑ってしまった。赤くなった鼻も、涙で濡れた睫毛も。
指摘しないほうがいいだろう。
アイラに抱き上げられ、クラリスはホールへ向かう。
甘い香りのイチゴのケーキが皿に取り分けられ、娘はすっかり上機嫌でそれを頬張った。
さっきまでの涙が、嘘のようだ。
部屋には、ようやく穏やかな時間が戻ってきていた。
END それでは、また。