というのも、このニシンラオウ! ラーメン作りには、とてつもないこだわりを持っていたのである。
魚介スープよりも濃厚なスープ
豚骨スープよりも匂いの強いスープ
ニンニクスープよりも精力がついて! 女性受けするスープ!
そんなラーメンのスープづくりを日々目指して仕込みを続けていた。
確かに、そこまでのこだわりといえば聞こえがいい。
だが、そのこだわりのせいで、キッチンラ王は閑古鳥のなくラーメン店になっていたのだwww
誰もいないキッチンラ王の店内……
もう昼だというのに薄暗い店内には客の姿は全く見えない。
そんな店内にコトコトと音を立てて煮えたぎる鍋の音だけが小さく響いていた。
厨房内では、その鍋を睨み一人黙々とラーメンの仕込みを続けるニシンラオウが立っている。
懸命に仕込みをしたところで、それを注文してくれる客など来やしない。
――分かっている……分かっているのだが、自分にはこれしかないのだ……
ラオウは唇を固くかみしめ鍋の中をかき混ぜる。
とたん、鍋の中からムワッとしたイカ臭いにおいが立ち上った。