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作業が終わると夏バテが始まる

断続性呼吸痙攣状態異常に関する一考察

本稿では、戦闘時において比較的頻繁に確認される一過性の状態異常、すなわち対象者の随意運動および魔力操作能力を著しく阻害する「断続性呼吸痙攣」について、その発生機序と戦術的影響を検討する。本症状は生命活動そのものを損なうものではなく、身体組織への永続的な損傷を伴わないにもかかわらず、魔道士・戦士を問わず戦闘能力を大幅に低下させる点に特徴がある。

本状態異常の発現時には、対象者の胸腔内に存在する特定の筋組織が、本人の意思とは無関係に短時間の収縮を反復する。この収縮は呼吸運動を瞬間的に中断させるため、対象者は一定の間隔で不随意な吸気を強制されることとなる。通常の呼吸であれば問題とならない程度の現象であるが、呪文詠唱において要求される呼吸の持続性および発声の安定性は著しく損なわれる。そのため、発動に一定以上の詠唱時間を要する術式については成立そのものが困難となり、実戦上は魔法行使不能と判断される。
なお、本状態異常が生体組織の存在を前提とすることには留意を要する。既に生命活動を停止しているアンデッド、ならびに筋肉や呼吸器官を持たないゴーレム等の人工生命体に対しては、原理上ほとんど効果を示さない。これは呪詛の強度ではなく、作用対象となる生理機構そのものが存在しないことによるものである。

本状態異常の解除自体は容易であり、一般的な解呪術によって短時間のうちに消失させることが可能である。しかしながら本状態異常は術式の消費魔力が極めて少ない。従って敵対者が複数存在する場合、解除直後に再度付与される懸念は避け難く、戦闘中の術者にとっては看過しがたい負担となる。また呼吸の断続は精神的集中を継続的に妨げるため、身体的損傷が皆無であるにもかかわらず、長時間持続した場合には著しい苛立ち、疲労および精神的ストレスを引き起こす。
特筆すべきは本状態が魔術師に限らず近接戦闘員にも影響を及ぼす点である。断続的な呼吸の乱れによって注意力および身体制御能力が低下する結果、攻撃動作の精度は平常時と比較して大きく損なわれる。対象者自身の戦闘能力が直接低下するというより、継続的な不快刺激によって集中が維持できなくなることが主因と考えられる。

本状態異常は殺傷性、破壊性のいずれにおいても低度でありながら、戦闘行動全般を阻害するという点で特異な性質を有する。必要魔力が少なく、解除も容易であることから軽視されやすい一方、反復的に付与された場合には術者の詠唱を阻害し、戦士の攻撃精度を奪い、さらに対象者の精神的平静を著しく損なう。その意味において、本現象は「効果が弱い」のではなく、「効果の方向性が極めて限定的である」と評価すべきであろう。なお、古い戦術書において本状態異常がしばしば「滑稽な呪い」と記されているのは、その外見的印象によるものに過ぎず、実戦上の有用性まで否定する根拠とはならない。

(※コスパのいい状態異常攻撃を考えていたところ「しゃっくりを止まらなくする」のがめちゃくちゃ嫌だなと思いながら書いた。なお痙攣の仕組みに気づいた魔法使いが「魔力込めてごり押せばゴーレムも動作不能にできるんじゃね?」と軽率に試し、その巨体を上下左右前後にガタガタ震えさせながら制御不能のゴーレムが迫ってくるおそれもある。しゃっくりってこわい。近況ノートに書くもんじゃない。)

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