https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/2912051599701943673そんなわけで、第四十八話「稽古」です。
久しぶりのアスカさん登場回です。
彼女はぶっきらぼうで、感情表現が苦手な朴念仁だったのですが、歳を重ねたことと長年第四軍のトップとして、多くの部下の面倒を見てきたので、かなり世慣れてくだけた感じになっています。
彼女から見たら虎丸は本当に子どもなのでしょう。からかうというよりも、可愛がっている感じがしますね。
羅の国、というか東大陸の西沿岸諸国は、明らかに日本がモデルで、戦国時代だと思ってください。
羅に攻め込もうとしている叡の国は、中国がモデルです。
虎丸が知っている「組打ち」は、簡単に言えば「相手をいかに転ばせるか」という技術です。
重い鎧を着た武将は、転がされてしまうと簡単に無力化できます。槍や刀といった間合いが必要な武器が役に立たなくなるからです。
相手を転ばせた隙に、上にのしかかってしまえば、動きも制圧できるので、短刀を抜いて鎧の隙間から刺し込んでしまうか、直接首を取りに行くことになります。
したがって、最初から「投げ技」や「関節技」を考慮していません。
これに対して、王国や帝国で発達している格闘術は、柔術と合気道を合わせたような武術です。
相手の力に力で対抗するのではなく、その力を受け流して逆に利用する技術です。
関節の構造を理解し、どの方向に力を加えれば、相手の動きを封じられるかが分かるので、上達すればかなり強力な武器となります。
自分の力はそれほど必要としないので、圧倒的な体力差のある女性でも、男性と互角に戦えるというメリットがあります。
そのため、王国や帝国のように女性兵士が珍しくない国では、かなりの人気があり、女性の中から達人が生まれがちです。
ある意味、その代表だったのが、シドの先代蒼龍帝フロイアで、彼女は関節技のスペシャリストでした。
武芸全般が大好きだったフロイアは、強すぎて稽古相手に困っていたのですが、アスカという逸材を見出して以来、彼女を専門の稽古相手に指名しました。
軍で教えている武術は、剣術・弓術・槍術・格闘術の四つで、このうち剣術と槍術ではアスカが優位、弓術は互角、そして格闘術ではプリシラが圧勝でした。
アスカはこの関節技の鬼に散々痛めつけられたので、自然と彼女の技量は向上し、フロイア亡き後では格闘術でも第一人者となっています。
アスカは自身の巨体にコンプレックスを抱いています。
女性ですから、可愛らしくありたいという願いはあるのですが、圧倒的な現実がそれを打ち砕いてしまいます。
しかし、ゴードンと結婚して男性に愛されることを知り、出産して母となったこと(四十歳の高齢出産でした)から、大きく自信を回復しています。
贅肉が全くなく、全身を鋼のような筋肉で覆われている彼女にとって、唯一柔らかい肉体部分が乳房です。
別に巨乳ではなく、どちらかというと控えめな方なのですが、触ると柔らかく、子どもを育て上げた乳房は彼女の自慢であり、自信の根源となっています。
虎丸に「触れたら揉んでもいい」と言ったのは、軍隊流のセクハラジョークなのですが、背景にはアスカの誇りみたいなものが見え隠れしています。
さて、本当なら今回は「ヴァンの店」まで進む予定だったのですが、例によって次回に延びてしまいましたw
そんなわけで、次回をどうかお楽しみに!
【私信】yom3 さん、いつもお心遣いありがとうございます!