• 現代ファンタジー

試着した日以来、丁寧にハンガーにかけていた真新しいセーラー服を、玲央は少しだけ神聖な気持ちで手に取った

ドレッサーの前で準備をする玲央に、お姉ちゃんが檄を飛ばす。
(小悪魔って言ったくせに……)
玲央は心の中で小さく反論しながらも、早めに行く、というアドバイスはいいな、と思った。

試着した日以来、丁寧にハンガーにかけていた真新しいセーラー服を、玲央は少しだけ神聖な気持ちで手に取った。さらりとした肌触り。サイドファスナーを、少しだけぎこちなく引き上げる。ひだがきれいなプリーツスカートに足を通すと、ふわっと空気をはらんで揺れる感覚が新鮮で、それだけで心が躍った。

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