ある日のことである。
御主人は昼休みに模利と話していると。
クラスの男子に吾輩が取られてしまう。
「返して、大切なキーホルダーなの!」
「ホント、女々しいヤツだ、こんなおもちゃのどこがイイ?」
御主人と男子がもみ合いになると不意に男子の手から離れて空いていた窓から外に落ちてしまう。
「けっ、無理に取り戻そうとしたお前が悪いのだぞ」
すごすごと立ち去る男子をよそ目に御主人は大混乱である。
「イヤだよ、キーホルダーのアルが居なくなったら」
御主人は直ぐに一階に降りて校舎わきの芝生に来てくれた。
「イヤだよ、イヤだよ!!!」
吾輩は泣きじゃくる御主人を見るのは辛かった。
ここは早く見つけてもらおう。
吾輩は力の限りに震えてみる。
『プルプル、プルプル』
「あっ!あった!!!」
良かった、御主人に見つけてられたようだ。
「キーホルダーのアル?ケガはない?」
御主人がそう言うと、吾輩を制服で拭いてくれる。
「エヘへヘヘ、綺麗になった。戻ろうよ、キーホルダーのアル」
吾輩の御主人への忠義は更に強くなった。
これで、この物語は終わりである。
そう、本当に吾輩は幸せ者だ。