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音の魔術師

前紹介した音楽家のケネス=ラッセル=ライアンとの邂逅編
すっごく空夢風音がメインヒロインぽい立ち位置と表情してる。
ミハエルは、この状況からカンチョーできないかなとか考えてる。
小学生並のいたずら心である。
プレビュー↓


「あの……わたしは?」
 空夢風音の声は、か細く震えている。彼女の茶色の瞳は、期待と不安で揺れていた。
「風音。君も戦うとなったら遠くでベンチウォーマーだね」
 ミハエルの言葉に、風音の肩が小さく落ちた。彼女は、悔しそうに唇を噛み、俯いた。黒いスカートの裾が、小刻みに震えているのがわかった。
「…………」
 空夢風音は何も言わなかった。だが、彼女の表情が語っていた。もっと近くで、もっと直接的に関わりたい。だが、自分には力がない。そんな悔しさが、彼女の全身から滲み出ていた。
「わたし対抗できなさそうなんだけど」
 天馬蒼依が、そっと呟いた。彼女は、自分の太ももを見つめながら、小さく首を振った。姫カットの黒髪が、揺れて顔を隠す。
「呪禁(じゅごん)つかえるだろーが、呪禁(じゅごん)はこの世の(物理)ルールをびりびりに貫いて効果出す不幸潰しだぞ。神が直接使ってる術だから通じるに決まってる。油断は決してできんけどな」
 ミハエルの説明に、蒼依は顔を上げた。彼女の目に、少しずつ力が戻ってくるのがわかった。まだ不安は残っている。だが、可能性がある。それだけで、彼女の心は軽くなった。
「で、交渉決裂かなんかしたの?」
 水鏡冬華が、静かな声で尋ねた。彼女は、赤いはかまの裾を直しながら、ミハエルを見上げた。長い黒髪が、肩から流れ落ちる。
「いや。互いに牙は引っ込めた」
 ミハエルは、小さく首を振った。彼の表情は、まだ緊張を解いていない。だが、少しは安心しているようだ。
「ならいいじゃないか」
 ブラックヴァルキリー・カーラが、腕を組んだまま呟いた。彼女の黄金の瞳は、まだ警戒心を宿している。だが、口調はやや柔らかくなっていた。

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