誰にも読まれなくともー今は気分が乗っているので更新するーシリーズ
今日もムーンショット更新したけど、誰も読まない。けどわたしが満足してるからよし。
絵は桜雪さゆにあきれ果てたフィオラ=アマオカミ。
今日の更新は、太陽よ、ムーンショットを止めろ! 第36章の、浮遊大陸ティルナノグ編の
フォイニクスの傭兵隊
https://kakuyomu.jp/works/16818023211859110800/episodes/16818792436836078093それから一月後更新の部分から抜粋
「わたしも~~ほら」
桜雪さゆもアンティゴノスとの契約の羊皮紙をフィオラに見せた。そこには、彼女とアンティゴノスとの間で交わされた契約の詳細が記されていた。
セイウ○チとしての地位、報酬、そして東方からの情報提供義務 そしてサイン欄にはう○こと書かれていた。意味不明である。
フィオラの赤い瞳が、桜雪さゆが差し出した羊皮紙と、そこに記された「う○こ」という文字を交互に見た。
彼女の優雅な微笑みが一瞬凍りつき、黒い竜のしっぽが戸惑うようにわずかに固まる。この雪女の考えることは、いつも予想の斜め上を行く。
(これは……どういうことかしら。本当に「う○こ」と書かれている。アンティゴノスもこれにサインをしたというの? 彼の策略家としてのプライドはどうしたのかしら? それとも、さゆが何か特別な力で彼を操ったとでもいうの?)
フィオラの思考が急速に回転し、この信じがたい状況の真意を探ろうとした。芸術と美を愛する彼女にとって、「う○こ」という言葉が契約書に記されていることは、美意識に対する冒涜以外の何物でもなかった。
しかし、桜雪さゆの表情を見ると、悪意があるというよりは、むしろ得意げな、いたずらっ子のような輝きを帯びている。
アンティゴノスは、桜雪さゆが掲げた羊皮紙をちらりと見たが、表情一つ変えずにフィオラに向き直った。
まるでそれがごく自然なことであるかのように。その落ち着き払った態度が、フィオラの混乱をさらに深めた。
(まさか、このアホ女は、わたし以上にアンティゴノスの懐に入り込んでいるというの? 「う○こ」という、こんな意味不明な契約で?)
「そちらも無事に契約を交わされたようで、おめでとうございます、さゆ」
フィオラは優雅に、しかし内心では困惑しきった声で言った。彼女の赤い瞳は、羊皮紙に書かれた「う○こ」「セイウ○チ」という文字から目を離すことができなかった。
自分の契約書に記された美しい筆跡と、さゆの契約書に書かれた意味不明な文字との対比が、彼女の脳裏に焼き付いた。
(一体、この妖怪春女とアンティゴノスの間で何が起こったのかしら? この「う○こ」契約の裏に隠された真意は?)