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異世界での転生ものか、初めて読むから的外れなことを言っているかもしれねえが、よろしく頼むぜ。
ってか、今日は俺が先鋒なんだな。
未踏破ダンジョンの最下層で、モモンガに転生する。
いいよな、モモンガ。転生前のシーンに現れる『光の塊』の描写も、なんだかテセウスの船のパラドックス、俺の回答した内容によく似てんだ。
「すべての構成部品が置き換わったとしても、それは『同じもの』と言えるか」――。
俺の回答はこうだ。
「船の形をした魂が存在し、それが宿っている限り、それはテセウスの船だ」。
見た目が変わろうが、バラバラに組み直されようが、その先にある『魂の形』こそが本質なんだよ。
異世界転生もそうだろう? 主人公は、もふもふになった後も中身は変わらねえ。
……魂の形が本物ならな。
さて、この物語の舞台、ダンジョンがまた特異なんだ。
地下深くの構造、最深部から始まる旅。
未踏破ってことは、相当な深度と過酷さがあるはずなんだが……そんな怖気も、モモンガの可愛さと「ほのぼの」タグに毒気を抜かれちまった。
スキルも必要な時に順次開放されるし、サバイバルとしては安全で順調だ。
多少、運が良すぎて怪我をしなさすぎる気もするが、小さなカタルシスを積み上げるニーズには合ってる。
ただ、没入しようとした矢先に、全く知らない他人の視点が割り込んでくるのは少しノイズに感じちまう。
メインストーリーに説明を詰め込むより、スピンオフでやる方がスマートだったんじゃねぇか?
なんつーか、「説明のために存在している視点」が見え隠れして、モモンガとロボ以外のキャラを描きたいっていう作者の欲求が筒抜けなのがもったいねぇ。
記憶をなくしたロボのパーツ集めっていう目的はいい。
なら、浅い層の話は、あの収集癖の俺っ子少女とのシーンが落ち着いてからでも遅くはなかったはずだ。
有象無象のなろう作品に比べりゃ格段に発想はいいのに、構成の順番で損をしてる。
モンスターの案だって一癖あって強烈だ。水のような擬態、でけえアリ……。
なろうのもふもふ枠としてはかなり個性的で、ナッツの香ばしい香りが漂ってきそうな良質な世界観だ。
……だけどよ。
このもふもふを愛でていると、なんだか俺の鼻をくすぐる『懐かしい』……
それこそ『香ばしい』別の香りが、どうしても頭をよぎるんだよな……。
この妙なデジャヴは何だ?
悪いが、明日Mにでも詳しく聞いてみることにするか。