SF作品「汝は人造人間なりや?2125 〜以下略」の作品内にパワードスーツが登場します――
「パワードスーツ……警察の機動隊や自衛隊が使う中型外骨格、か……しかもこれ、億は下らない最新鋭機だぞ……」
――ということで。
曲がりなりにもSF作品なので、現実の延長線上にあるテクノロジーが使われているとします。
では、2125年に実用化したパワードスーツに使われる技術って何でしょうか?
いろいろ勉強して、いかにも本物っぽい嘘を書こうとしました。
しかし、その勉強内容を全部書いていたら、お話として成立しなくなる(面白くなくなる)ので、九割は端折ることになります。
その九割を、試しに一部、書き出してみました。
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パワードスーツの電気系統の核として、量子IC基板(量子技術を応用したIC基板)が搭載されています。
自衛隊などが使う兵器としてのパワードスーツなら、軍用規格――ミルスペックになるでしょう。
ミルスペック(MIL規格)は、アメリカ軍が必要とする様々な物資の調達に使われる規格です。
兵器や宇宙開発などの高い品質が求められる製品に対する性能保証として使われます。
それが2125年も連綿と続いている設定です。
更に、不安定な量子技術を兵器として極地で運用・制御可能なパッケージ技術と、それを量産できる周辺インフラが確立している、とします。
量子IC基板に使用される要素技術は、ハードウェア的には量子ドット、量子トンネル効果、ソフトウェア的には量子の重ね合わせです。
量子ドットとは、ナノスケールの半導体粒子(量子ドット)を使って、電子の振る舞いを量子的に制御するテクノロジーです。
量子トンネル効果は、電子や陽子などの微小粒子の持つ波としての性質により、「粒子が本来通れるはずがない壁の向こう側に存在する確率はゼロではない」という物理現象です。
量子の重ね合わせは、量子状態を使って情報(0、1、0または1)を保持し、そこから高確率で正解を選び取るアルゴリズム――量子アルゴリズムが重要な技術となります。
量子ビットを作る材料としてはトポロジカル絶縁体を想定しています。
それらをIC基板に応用できれば、低消費電力、高速、高密度、超小型化が可能となり、普及すればとんでもない技術革新が起こります。
現時点(2025年)では量子技術の多くは研究段階ですが、電子顕微鏡などで一部は実用化されています。
ただ、ナノスケールの精密製造が必須、量子ドットの制御が難しい、不安定、開発コスト激高……とまあ、まだまだこれからの技術です。
しかし、2125年なら普及している可能性は大いにあると思います。
量子コンピュータもそうですが、最初に開発に成功し、特許を取得して、マーケットに投入できた会社は、某リンゴの企業のように世界を席巻し、膨大な利益と支配的地位を得るでしょう。
夢は広がりますが、まず真っ先にパワードスーツのような兵器類に利用されているとするのは、いささか夢がない、現実的な話かもしれません。
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上記は勉強したことのほんの一部で、本編は更にここから一部を抜粋・推敲して、もっともっと短くなる予定です。
小説の設定って、こんなものですよね。(涙)
「汝は人造人間なりや?2125 〜友情に、恋愛に、人間関係に、泣き、笑う、青春ドラマ。そこに人造人間は紛れ込んでいる?のか?〜」
最新 第16話は、明日7/25(金)12時更新予定です。
よろしくお願いします。