• 異世界ファンタジー

一人では、足りないこと

3章、読んでいただきありがとうございます。

この章でマーケタは、はじめて外に出て、街を見て回ります。自分を守るだけだった人が、「この場所を変えられないか」と動き出す。その最初の一歩を書きたかった章でした。

でも、一人でやれることには、すぐに限界が来ます。

印象に残っているのは、フィナが自分から「何かできることはありますか」と言ってくる場面です。マーケタは言い方を教えようとして——やめる。毎晩、客の顔を見ているのはフィナのほうだから。「あなたの言葉のほうが届くと思う」。そう言って、任せる。

一人で抱えて、一人で考えて、一人で動いてきた人が、はじめて誰かに委ねる。私はここが、3章でいちばん好きです。

実績は、小さく積み上がっていきます。けれど、店の構造そのものは、まだ何も変わっていない。乱暴な夜は、まだ来る。根っこを変えるには、動かさなければならない人がいる——店主のイルゼです。

4章は、そのイルゼをどう動かすか、という話になります。引き続きお付き合いいただけると嬉しいです。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する