創作村あれこれ⑩
村の中には、小説と絵も描けるというハイブリッドな人もいた。
彼は美少女ゲームを愛しており、特に『マジ恋』が好きだった。
かと思えば、デモンベインや月姫、Fateにも傾倒していた。
とはいえ、この頃のオタクといえば雑食なので、この手のゲームは大体やっていたように思う(偏見)。
この手の話で思い出すのは『マブラブオルタナティブ』である。
âgeは我々の性癖を歪めたと言っても過言ではない。緑髪は信じない。いいな。
私は翌日に遠方から来る友人と会う約束をしていたにも関わらず、完徹でゲームを進めていた。
途中からタケルちゃんが余りにも萎えてげんなりするので、余分なところはCTRLを解放した。それでも凄まじいテキスト量だった。
翌日に友人と会った時の表情は、きっとゾンビだっただろう。
しかし、その友人も夜行バスの揺れに相当辟易していたらしく、同じようにゾンビだったので赦してほしい。
閑話休題。
このハイブリッドな友人だが、人生の分岐点において、どっちか一本になろうとしていた。
つまり、絵か文章か。悩みに悩んで、彼は絵の専門学校に行ったわけだが、どちらを選べばよかったのかと苦悩していた。
因みに、就職先が絵とは全く関係ない所になったのも、また、彼の気持ちを後押ししているのかもしれない。
人生とは間々ならないけど、そんなものだ。
ただ、おそらくだが、どちらを選んだとしても、結果的に後悔していたのではないかとも今は思う。
後悔なんて絶対にする。選択したという事実を受け止め、何よりも覚悟が大事なのだ。
そんな彼は結婚して子どももいて、すっかりと疎遠になってしまった。
私は子どものままに年齢を重ね、彼は子どもから大人になったのだろうか。
今でも描いているのかは……、定かでない。
ただ、そこには確かな熱量があって、蜃気楼のように残っていると信じている。