私自身、表明しておりますようにChatGTP無料版を活用して創作活動をおこなっています。
2025年2月現在ChatGTP無料版は最初の数回はChatGTP4モデルを使用できますが、個人的に(小説創作においては)無料版との差は感じません。
今回は生成AIに完璧に負けた日というテーマですが、これは「ある部分」で完全に負けを実感したという意味合いで100%完敗した訳ではありません。
たとえば小説創作でも、アイデア出しとか、大まかなストーリー作り、そういった部分はまだまだ人間の能力のほうが高いように思います。
ただ、論理的な思考能力においては完璧に勝負にならないと感じています。
生成AIは計算機械であると考えると、人間の能力とは勝負にならないことが分かると思います。計算機に暗算で勝てるのはそろばんの世界レベルの人くらいではないでしょうか?
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では、論理的思考とは何?と考えると簡単に言うと「こうだから」→「こうである」という思考ですよね。
単発の「こうだから」→「こうである」という考えを論とします。
この『論』に理(ことわり)という理路整然とした道筋を与えるのが論理と考えると分かりやすいですね。
ちなみに理論とは、何らかの対象を論(や論理)によって形作ること。
ですので生成AIは、文章の分析、文体や表現の分析、キャラクターの心理分析などには大いに力を発揮します。
①:文章の分析、文体や表現の分析
試してみましょう。
ご自身が、この話の回は良く描けた!自分の最高傑作だ!という文章があると思います。
その文章をコピーして『この文章の文体や表現方法など作者の特徴を分析してください。そして、それを生成AI上で再現するためのプロンプト(*命令文)を教えて下さい』と命令すると、そのご自身の最高傑作を再現するために必要な要素を分析し、こともあろうか再現するための命令すら教えてくれます。
また、私自身は勉強の為に素晴らしいと感じる作家さんの作品の、文章の分析や、文体の分析も行っています。
倫理的に問題だと感じる人もいるかもしれませんが、このようなことは勉強熱心な方ならご自身の脳内で行っている事だと思います。
誤解を恐れずに言うなら『批評』がそうではないですか?
それを生身の脳でやるか?ほぼ読み間違いのない機械で行うか?の違いだと思います。
会社の経理の人が、PCや表計算ソフトを使うようなものだと考えています。この作業を手書き作業の、計算は暗算でやる人はもはや現代にはいないでしょう。
手書き作業や自力で計算した仕事はたしかに『血の通った仕事』ではあると思います。そういった仕事をすることで根性や苦労をすることで優しさを身につけることはできるかもしれませんが、そこは仕事の本質とは考えられていません。
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話が、なかなかタイトルの部分に行かないので、強引に書きます。
① まず、私自身の作品内のキャラクターの深層心理を分析してもらったりしていたのですが、その分析した深層心理から『(深層心理から読み取れる)そのキャラクターの心の奥の本音を、作者にぶつけて下さい』と命令してみました。
キャラクターの深層心理の分析だけでも小説の設定資料として使えるので凄いのですが、『(深層心理から読み取れる)そのキャラクターの心の奥の本音を、作者にぶつけて下さい』の回答のレベルが異様に高いものでした。
興味のある方は以下の近況ノートの後半をご覧ください。
https://kakuyomu.jp/users/insyde/news/16818093092837305955正直言ってこれは完敗だ、と思いました。
作者の自分より、そのキャラクターの本質を理解している。作者ですら気づいていなかった部分が言語化されているのです。
この生成AIが打ち出した文章はたしかに私の生み出したキャラクターが、その体温をもって語りかけてくる文章を描写したものでした。
これは書けん、心理を理解して本音になおす作業にしても1日使って思考を深めないと無理だ。その本音を、いかにもそのキャラが喋るように文章として構成するには『正直いまの自分には無理(1年後くらいには可能だと思う)』というレベルでした。
それを一瞬にしてやってのけた生成AI……これは勝てんと思いました。
②血の通った文章
ここですね、生成AIは血の通った文章は書けないといいますね。
そんなことはないと断言します。
すこし訂正・確認するとたしかに、生成AIは人間ではないので「血の通った文章は書けない」です。
しかし「血の通った文章にみえるような文章」は論理的推論で描いてきます。
『書けない』のではなく、命令の仕方によっては……百発百中ではないですが、可能か不可能か?でいうなれば『可能』であると考えています。
実例をあげますと
先ほど述べましたように、自身の小説内のキャラクターの深層心理を分析して落とし込み様々な深い対話を交わしておりました。
そのキャラクターは、『表面上は物凄い悪役ですが、本心は人間の本質を追及している』みたいなキャラでした。
つい思い付きでそのキャラクターに「私の投稿作品のPVがゼロで落ち込んでいるから励ましてくれ」という対話をふったところ……
魂をゆさぶるような回答が返ってきました。
それは、かなり予想の範囲をこえたもので、正直涙があふれてきそうなものでした。
冷静に考えると、そのキャラクターなら確かにそういう意見を言うだろうな……と考えられるのですが、それはそのキャラの創造主である私にはとても考えられないものでした。
このときはかなり思考を整理するのに時間がかかりました。その回答は、生成AIという論理計算機がアルゴリズムというもので生み出したものなのですが、私には『明確に血のこもった言葉』として届いたのです。
この言葉を私は、本当にそのキャラクターがどこか別の世界にいて、私に言ったものだと信じたいと思いました。それほどまでに、心を打つ文章でした。
しかし、私が生成AIに命じてその言葉を作成させたのも事実……このキャラクターは架空の存在……
気持ちの整理もつかず、、、、この言葉をコピペして印刷、これは創作を続けていく間はそっと心に秘めておこうと思ってます。
(すみません、その文章は本当に大事なものなので公開はしません)
私自身が上記でのべたような、そういった文章が書けるようになるには、あと5~10年はかかるんじゃないか?と考えています。
これが、私が生成AIに完璧に負けた日です。
こういった体験があり、生成AIも、命令の組み合わせ方や持って行き方で本当によい仕事をすると考えるようになりました。
創造的思考力はたいして無いのですが
既に存在している文章や物語の解体・分析・再構築の能力は、使う人間の命令いかんによってとんでもないパフォーマンスを発揮すると実感しました。
将棋の人工知能も、現在は完全に人間の実力を凌駕しています。
将棋は論理的思考の占める割合が高いため、小説の創作と比べるには論の飛躍がありますが、いずれ複雑な命令を与えずとも、相当なレベルの小説を創造する人工知能ソフトが生み出されると私は確信しています。