偶然かそうでないのかは分からない。
最近、自身の周囲ではホラーを書いている人が多いように思う。
そのなかでも身近な人たちは、微妙な怖さ……みたいなものを表現しているように感じる。
幽霊や化け物、祟りといった大きな怪異に襲われるものではなく、日常におこる小さな違和感や差異やズレと言ったものと言えばいいだろうか。
実は俺自身、幼少期から最近まで『その手の微小な差異』の体験がざらに数百はあり、なかにはメモなどに残していないがゆえに忘却してしまったものもあると思う。
大きな怪異の体験もあるが、これは流石に話すことは出来ない。
(大きな怪異は不思議なことに、ある時期はその記憶があり、ある時期は完全に記憶から消えるという流れを繰り返している)
まさか自分が物書きになるとは思ってもいなかったので、実にもったいない。
(しかし、今すぐにそれらを書き残そうともしない俺をどうか許してほしい)
そういった怪異(なかには怪異とまでも言えない微妙なものまで)は、日常のなかで折に触れて思い出されることがある。
今日もふと、思い出したのでここに書いてみようと思う。
音楽・曲の記憶
俺は自身の心のどこかに触れた音楽は一瞬で、一回の視聴で、永遠に記憶できるという能力を持っている。もちろんすぐに思い出せない事もある。難しい表現だが、心の奥底に記憶の箱みたいなものがあり、そこに入ったままになっているので決して消え去ることがないという感じだ。
その永遠に記憶した曲を一曲あなたに伝えたい。
これは中学の頃『信長の野望・時の調べ』というゲームのBGMで、パソコン屋さんの店頭で二~三回聞いて記憶した曲だ。二度と聞くことはないかと思っていたら、数年前にYouTube動画で発見して驚いた。
https://www.youtube.com/watch?v=uxNxPG5ZIiE記憶の中のメロディーと全くたがわないメロディーを三十年近くぶりに聞いた。まさに、曲名どおり悠久の時の哀しさに漂うような曲だ。
1分でいいから、ぜひ聞いてみて欲しい、俺の言いたいことが理解できると思う。
さて、全然ホラーとか怪異じゃないじゃないか!と、そろそろ怒り出すお嬢さん達もいるだろう。
話はここからだから、焦らないで聞いて欲しい。
あと言っておくが、幽霊とか祟りとかの派手な怖さじゃないからな。
上記の通り、YouTube動画には懐かしのGAME MUSICが沢山上がっている。
そこで俺は子供時代に遊んだファミコンなどのGAME MUSIC……ドラゴンクエストやファイナルファンタジーの音楽を検索しては視聴して、当時の思い出に浸って楽しんだ。
やがて様々なGAMEの音楽を検索して聞いていく中で、とある不思議なことに俺は気づくことになる。
昔遊んでいたあるGAMEの音楽だが、YouTube動画で再生してみると……全く違う曲が流れているのだ。
「はあ???」
そのGAMEのプレイ画面でのBGMが全く知らない曲になっている。
「そんなわけねーだろ、このプレイ画面の音楽はそうじゃない」
俺の頭の中では記憶していた音楽が鳴り響くが、実際にYouTube動画で流れている曲はある程度似ているが全く別の曲だ。
そこで、同級生に電話して聞いてみた。
「おい〇〇のプレイ画面の音楽ってコレだったか?」
「どう考えてもコレだぞ」
「…………」
友達に実際に口ずさんで聞かせてみたが「そんな曲、知らないぞ」と言われてしまう。
どういう理由かわからないが、俺の記憶の中の音楽は、よく似た曲調の……違う曲になっていた。
別のGAMEの音楽動画も見て、必死に記憶の中の音楽を探してみたが、どうしても見つける事はできなかった。
まあ、こういった感じだ。
俺が聞いて記憶の底に入れていた曲はいったい何だったのだ……この世界には存在しない曲なのか?
この、ほのかな疑問は、時折思い出しては俺を不思議な気持ちにさせるのだ。
もう少し上手な語り口で描けるならばホラー記事として投稿できるが、個人的にはホラーという分野にはあまり力を入れようと思っていない。
もちろん今後、筆力を上げるためにホラー作品は書こうと思うが、自己表現の手段としてホラーという分野を選ぶことはないだろう。
あといちどGAMEと打ったら、ずっとGAMEと表示されてしまい非常に読みにくい文章になったと反省している、すまないな。
話のタネにはなるのだが、正直言って気持ちの良いものでもない。