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冬が終わりそうである

今年の冬は、近年の中ではまあまあ冬っぽい冬だったかなと思う。
その冬が終わりそうで、少し悲しい気持ちになる。
人生〇度目の冬ともお別れである。

季節というのは、抗いようがない。
力強く訪れて、静かに去っていく。
そこに自分は、ただ在る事しか出来ない。


子供の頃は冬が一番好きな季節だった。
冬の厳しい風に身を晒していると、とにかく思考が深まるのだ。

自転車で坂道を下ると、手袋をしていない手は感覚を失うまでに痺れた。
その感覚は、異様に自我を研ぎ澄ませてくれた。

骨身に染みるという言葉がある。
背骨の奥底まで冷たさが入ると、そこでようやくたどり着く思考があると気づいた、中学の頃になる。


春が来るのだ。

春というのは一番残酷な季節だ。
春の思い出と言うのは、たとえ美しいものでも、思い出すたびに異様なまでに残酷に感じる。
出会いも別れもそこに含有しているからなのだろう。

それでも人は春を待つものらしい。
俺は春など待たない、季節は待たずとも巡って来る。

そういった近況である。


6件のコメント

  • 冬は子供のころは雪が積もって、いつもは通れないような田んぼの上もスキー履いて渡れたりしてたので好きでしたが、大人になると排雪作業が嫌になり、雪の降らない地域を求めるようになってしまいました。

    春は春で精神状態が乱気流のごとく上下するため、嫌いじゃないけれど苦手です。

    そして、春夏秋冬どれが好きというのが無い、ということに、今気が付いています。
    え、そんな…好きな季節ないのか、私…
  • 茶ヤマさん
    こんにちは、けっこうな豪雪地帯出身なのですね。こちらは九州の西のほうなので、一面真っ白な世界に憧れますが・・・確かに雪かきは大変そうです。
    春はやはり、表向きの華やかさと裏のギャップが残酷ですね。

    で、春夏秋冬どれが好き・・・がないと、、、そうですね、秋はいかがでしょうか。
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  • 私は夏の暑さが苦手なので、その前段の春が来るといつも憂うつになります。
    梅雨明け以降は、秋が来るまで毎日指折り日数を、いや秒数を数えています。
    あと何万秒待てば涼しくなると、完全なアホですよね。
    でもそのおかげで、人生嫌なことも秒読みでやりすごしてきました。
    ちなみに私の寿命はあと3億秒と少しです。
  • ツジセイゴウさま
    なんだかすました近況に、コメントありがとうございます。
    夏が苦手と言う方は、多いですね。梅雨入り前の五月はかなり過ごしやすい季節ですが、梅雨が明けると一気に厳しい季節になりますね。
    湿度が高くなければもう少しマシなのでしょうが、最近は「春を待つ」よりは「秋を待つ」気持ちの方が、日本人の中で多いかもしれません。
    秒単位で待つというのは初めて聞きました。なかなかオツなものですね。
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