毎度お読み頂いて有難う御座います。
今回始まりました「クルス・ボランテス」、モデルはジェリー・アンダーソンをはじめとするAP・フィルム製作、ITC世界配給のタッグによる第一作、1961年の「スーパーカー」です。
異世界では割とアッサリ短期間で出来てしまっていますが、実が結構予算を懸けた大作で、ITCのルー・グレイドはたかが人形劇に何でそんな金がかかるのか驚いたそうです。
何しろ人間の1/3サイズのセットやスーパーカーを作る必要があったのです。特にスーパーカーは曲面ガラスを必要とし、模型製作も苦心した様です。
前にお話しした「電池少年トーチー」に登場するロケットがジェリー・アンダーソンメカニックの第一号?だと思うのですが、その上端にある操縦席はガラスが入っていませんでした。
時代が時代ですので、こんなところにも苦労があるものだと思わされます。
さて「スーパーカー」、古い作品なので非常にかったるく思う所はあるものの、当時としては相当クリエイティブな作品だったかと思われます。
今では北米版を購入するか、YOUTUBEで鑑賞できます。しかも結構高画質で。
いい時代になったものです。日本だと「サンダーバード」等有名シリーズは発売されますがそれ以外はイマイチ。
それに日本のDVDは海外に比べると無茶苦茶高いので私は日本語ナシ字幕ナシの北米版を買っています。
しかしこのスーパーカーこそ「サンダーバード」の大ヒットへの第一歩、いやこの作品は大ヒットしたのでした。
作中にも登場しましたが、単に番組がヒットしただけではなく、玩具、出版物、そして「スーパーカークラブ」という、会員バッチや会員メモの出版で視聴者の子供達を番組の一部に取り込む商法を展開しました。
この試みは1965年には「TVセンチュリー21」誌としてニュースっぽい装丁で発売され、当時の「スティングレイ」だけでなく過去となった「スーパーカー」も「ファイアボールXL5」も同じ時代の物語として登場したりと賑やかな誌面で好評を博しました。
先進的なメディアミックスが60年代前半に行われていたのはアンダーソンファンであれば誰もが知っている偉業です。
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話の概要は、ネバダ州の荒野ブラックロックにある研究所で、ポプキス教授とビーカー博士の手によって完成した空飛ぶ自動車スーパーカーが、パイロットのマイク・マーキュリーの操縦で災害やスパイ団の陰謀から人々を救うという物で、マイクの活躍と、ビーカー博士の珍発明が話を賑わせたり解決したりというものです。
小説の中の発進シーン、ホンモノはポプキス教授の号令「マーク1、マーク2、マーク3」と推進エンジンを点火させ、研究所の天井が開いて「フルバースト、バーチカル!」で発進します。
嵐の中でも「クリアビュー」という光学装置?で遭難者を目視し確保します。
スーパーカーの飛行シーンは実写の航空撮影をスクリーンプロセスで投射しています。
この手法は後に雲を描いたホリゾントをロール状にして回転させる方式に変わっていきますが、実写を背景にしたスーパーカーの飛行シーンは奇妙な迫力があって面白く感じます。
無論、スーパーカーそのものも日本の作品とは違う優雅さがあります。
細部に施されたメタルラインが高級外車を思わせるのかもしれません。
潜航場面は手前に水槽を置き、魚を泳がせる手法を小さいスタジオで実現しています。
この「スーパーカー」の成功が、次なる大成功、少なくともアメリカでは最高の成功作として歓迎された「ファイアボールXL5(邦題:宇宙船XL-5・谷敬の宇宙旅行)」、更に「スティングレイ(邦題:海底大戦争スティングレイ・トニーの海底大戦争)」「サンダーバーズ(邦題:サンダーバード)」へと続いていくのでした。