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「ウルトラQ」っぽいのが終わったと思ったら、「ウルトラマン」っぽいのももう終わり。
「ウルトラQ」も、当初スタッフが志していた日本版「アウターリミッツ」「トワイライトゾーン」の様なSFアンソロジーが、外部の要望で怪獣を全面に押し出した作品へと変化しました。
それ以前に不定形な知的宇宙生命体を主人公とした「WOO」という企画があり、「そんなん絵に出来ん」とNGになったり。
魅力的なアイデアでありながら製作されなかった脚本があったり。
そんな紆余曲折の中、当時の世間をアっと言わせた番組を作り上げた姿そのものも、一つのドラマでした。
「ウルトラマン」もこれも紆余曲折の賜物。
ウルトラマン自体のデザインの変遷もまた面白く、デザインの成田亨による多くのスケッチが完成形に仕上がっていく様に驚かされた物です。
「ウルトラマン」のメイキングは実相寺昭雄の「星の林に月の船」に始まり、多くの方がスタッフ、キャストの奮闘ぶりを書籍化しています。
子供が見る番組、「ジャリ番」ながらも数多くの夢を実現すべく奮闘する才能あふれる人々の姿は、それ自体、どこか現実離れしたドラマの様に思えました。
しかしこの小説、異世界が舞台です。
リック君たちが持ち寄ったアイデアが、「ウルトラマン」完成品の様な「正解」とも言える奇跡の成功を引き当てられるとは思えません。
もしそうなれば異世界の才人たちは、「ウルトラマン」を作り上げた人々と同じ素養、問題意識、科学的土壌を持っていなければならない筈です。
それはある意味、先人を蔑ろにしている気がします。
なので、その紆余曲折、才能と才能のせめぎ合い、失敗の克服などはバッサリ切りました。
リック君が己の異世界の知識で最適解をなぞりながらも、どこかうしろめたさを感じるのはそういう理由でもあります。
僅かながら言及せずにいられなかったのは、金城哲夫さんの想いを込めた「禁じられた言葉」「さらばウルトラマン」について位でしょうか。
この程度ではコアな「ウルトラマン」マニアの眼鏡に適う訳がないけど、異世界の物語は先へと進みます。
あ!宮内國郎さんの音楽については言及できる知識が全くないので、これも語る事なく通過してしまった!
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いずれこの異世界にも不況の波や情勢不安が押し寄せ、今の様な絶対成功が約束されている環境は失われます。
その時に、この世界のどこかでリックや二人の夫人、友人達が彼等の世界の物語と、異世界からやって来た特撮と巨大怪獣、巨大ヒーローをごちゃまぜにした新しい物語を作っていく。
この物語の後半は現実の日本特撮史からすこし離れ、彼らの自由な特撮映画史を描いていきたいものです。