• 異世界ファンタジー
  • 現代ファンタジー

東宝SF終盤?「海底軍艦」

 いつもお読み頂き誠にありがとうございます。

 空を飛び海を地底を進む戦艦で艦首にドリル、誰がどう見ても「海底軍艦」の登場です。
 昭和30年代末、SF映画に続き怪奇人間もイマイチとあって、非怪獣路線(マンダ出ますけど)としては「緯度0大作戦」での突然の復活を除けば最後の作品になってしまっています。

 本小説では歴史の流れが前後していますが、現実では昭和38年公開、動員数300万超。同年の「マタンゴ」が300万行かなかったあたり、350万人動員した「モスラ対ゴジラ」あたりで怪獣路線が重要視される様になった、とも考えられます。

 実際は若大将シリーズ、クレージーシリーズ等の同時上映作品の人気も考える必要があります。
「ハワイの若大将」と「マタンゴ」同時上映って悪意すら感じてしまうなあ。
 逆に「怪獣大戦争」と「エレキの若大将」の同時上映は超豪華と感じてしまいます。
 両者の違いは何だ?(すっとぼけ)

「海底軍艦」と言えば特撮ライターの竹内博さんイチ押しの作品で、80年代の刊行物での評価がメチャクチャ高かった一作です。勿論かなりの短期間で作られたとか音楽に至っては3日で書き上げられたとか内実についても書いていましたが。

 元々は明治時代の冒険小説が原作で、かつ太平洋戦争を下敷きにしているので、異世界にパっと出た所で、物珍しさ以外で果たしてウケるのかどうか。
 戦前の夢と、戦時中の軍国主義への批判という相反するものが合体してできた、奇跡の一作かも知れません。

 田中友幸さんにせよ、関沢新一さんにせよ、無論メカ大好きな円谷英二さんにせよ思い入れたっぷりで作り上げた傑作だと思います。

 残念なのは本作を最後に、東宝らしさを感じるSF大作が絶えてしまった事です。
 無論戦前の米ラジオ番組を原案にしたナンチャッテ合作「緯度0大作戦」、小松左京原作を重厚感一杯に映画化した「日本沈没」始め災害スペクタクル等その歴史は続くのですが、田中本多円谷トリオによる円熟期のメカニックSF大作が終わってしまったのは個人的には残念です。

 怪獣よりメカの方が好きそうなリック君はこの後どんな作品を世に送り出すか。
 今後の主人公一同の活躍をお楽しみに。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する