毎度お読み頂き誠にありがとうございます。
あまりにもみんな知ってると思ってたせいか、全く元ネタ紹介していませんでした「妖星ゴラス」。
昭和37年、東宝特撮黄金期、そろそろ最後の超大作となります。
製作費公称3.8億万。実質製作費1億弱、宣伝費など間接費込みで1.5億。
この考証と当時の映画専門誌の記述の倍以上の開きは一体何なんでしょうね?
興行成績は当時のキネ旬とかないとわかりませんが、同年の「キングコング対ゴジラ」3.5億、前年の「世界大戦争」2.8億から見て2億行ったか行かないか。
田中友幸さん曰くイマイチだったとの事です。
イキナリ金の話ですがこれは極めて重要です。
本作以降「緯度0大作戦」まで、SF志向の作品は「海底軍艦」のみ、他は時代劇や冒険活劇を除けば特撮映画は戦争と怪獣に集約されてしまうからです。
これも本作が思ったようなヒットを飛ばせなかったからでしょう。一方の「キングコング対ゴジラ」が観客動員1千4百万人という無茶苦茶なヒット作になったため、SF路線は怪獣路線に併合された、と見るのが正しいでしょう。
なお1962年ダントツ1位は「天国と地獄」4.6億、続いて日活は石原裕次郎主演「花と竜」、東映次郎長映画オールスター「勢揃い東海道」だったりします。東宝創立30周年記念大作「忠臣蔵」製作費5億は8位で2.8億。
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「ゴラス」の内容は本編を見て頂くのが一番手っ取り早いのですが、やはりミニチュア特撮に対する自信というものが画面からあふれ出ています。
他社作品を見ていると、一応それなりの迫力ある画面を作っているのですが、どうしても本編を主に持ってきて、ミニチュア特撮の長廻しを避ける傾向があるなあ、短いカットをつないで、ミニチュアバレを避けたがるなあと感じてしまいます。
今リメイクされている「駆逐艦雪風」の旧作?なんかはそれなりの戦艦大和を作りながら、カットが短く感じました。「第三次世界大戦 四十一時間の恐怖も似た感じです。
それに比べると南極基地建設シーンなんかはミニチュアオンパレード。
その辺が東宝特撮と他社の、特撮という存在の位置づけの違いなのかなと思ってしまいます。
さて音楽、主題歌以外について、小説内では全く触れていませんが、石井歓。
本作を何故伊福部昭が担当しなかったか。「釈迦」に続く70mm超大作「秦・始皇帝」に没頭していたためだろうか?
結果としてかつてバレエ舞曲「人間釈迦」で組んだ舞踏家石井漠氏のお子さんである石井歓氏を推薦したそうです。漠氏は歓氏は伊福部昭に弟子入りを請うたが伊福部は多忙のため受けられなかったそうです。
しかしドイツに留学し、そこでもオスティナート技法を特徴とするカール・オルフに師事。
「ゴラス」に見る、まるで伊福部チックなオスティナートはここで培われた、そうな。
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世の中には「早過ぎた傑作」というものが多々ありますが、この「ゴラス」もそう位置付ける人も多いかと思います。
でも「早過ぎた」ものと、そうでないものの違いとは何でしょうね?
その時代の人の心をとらえたか否か。
その辺が「ゴラス」と「キンゴジ」の差なのかも知れません。