いつもお読み頂き、誠に有難う御座います。
既にその概要が語られていますが、新章、リック監督の手によらない、ライバル会社ショーウェイと東の国による特撮超大作の誕生。
競合他社の話なので数話で終わります。
例によって、まんま大映1961年の「釈迦」です。
しかも本作の中では東映っぽいショーウェイ特撮、更には海外との合作…
現実の「釈迦」は純粋に大映単独製作映画です。
ものすごい超大作です。
大映の社長、永田雅一氏は話題に事欠かない人物ですが、日蓮宗の信徒で、過去にも特撮超大作「日蓮と蒙古大襲来」を世に放っていました。
しかし洋画が初のシネスコ作品「聖衣」を皮切りに、70mm…実際のフィルムに占める幅は65mmであるMGMカメラ65方式の「ベン・ハー」、スーパーテクニラマ方式の「ソロモンとシバの女王」等の宗教史劇を放ち、これら大画面でも鮮明なド迫力のハリウッド超大作を前に。
なお、他にもトッドAO方式(「80日間世界一周」他)という湾曲大画面シシテムがあり、この方式の宣伝映画、その録音再生シーンをそのまんま後年黒澤明が「赤ひげ」の予告編で模倣していたりしますが、これもまた有名な話。
さて、この洋画宗教史劇超大作ラッシュに触発されたのか、
「キリスト教の国はキリスト教の映画を撮れ、仏教の国は仏教の映画を撮る」
とブチ上げて製作したのが「釈迦」です。
その大作っぷりは実際に見て頂くのがオススメですが、日本映画でもここまで出来るのか~、と顎が外れそうな豪華絢爛さです。
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その「釈迦」が選んだのが、スーパーテクニラマ方式です。
これも今更なお話しで恐縮ですが、既に購入していた「35mmフィルムを横に走らせ、アナモルフィックレンズで圧縮したネガを撮るカメラ」、つまりビスタビジョン用のカメラを生かす前提で計画されました。
35mm横のビスタ圧縮ネガを65mmのシネスコ非圧縮ネガにプリントし、ポジフィルムはサウンドトラック領域を含めた70mmフィルムにプリントするというものでした。
この物語の中では社長の思い付きで完成後に70mmにされちゃったので単純に35mmをプローアップしたという空想のオハナシ。
最初から70mmで、って話にしたら、それはそれで長い話になるので、思い付きで、って話にしました。
さて劇中の様に35mmネガを単純に70mmポジに焼いていいことあるのか?って話ですが、それでもそれなりに画質が良かったという記録を何かで読んだので、その記憶を頼りに書きました。
さて現実の話。
この大宣伝文句となった70mm、色々調べましたが日本国内では東京の有楽座、大阪の南街劇場やOS劇場等限られたもので、しかも大半は東宝系の劇場。
東宝は大映に「あなたはいい映画を作れ、ウチは場所を貸す」とか何とか耳障りの言い言葉を言ったそうですが、当時は劇場こそ収益の大半を持って行く仕掛けで、「釈迦」も配給網の細さで大ヒットの割に収益は期待以下だった、そんな結末を迎えたそうです。
それでも次回作「秦・始皇帝」をまたもや70mmで制作してしまう、ラッパと呼ばれた永田社長イズムには「ダメだこりゃ、もっとやれ」と応援せずにはいられませんでした。いやもう大映潰れてましたが。
図書館で「大怪獣決戦ガメラ対バルゴン」「大魔神」の二本立ての宣伝文句「日本映画は必ず復興する!」の新聞年鑑を探しに行った中学生時代の作者でした。
このスーパーテクニラマに伴う残念事件とか、上映禁止事件等についてはまた今度。