最新話『第38話 日陰の者、光を見送る』更新しました!
嵯峨はかえでの後ろを『金鵜殿』の内奥へと向かった。
かえでに付き従うのは太刀持ちの副官渡辺リン。
二人の姿を見ながら嵯峨は自分には縁遠い世界であるこの荘厳な建物に思いを巡らせた。
嵯峨の嵯峨家相続は戦時のどさくさ紛れに行われた。
西園寺御所の一隅に信頼できる家人だけを集めて行われた秘密裏の家督相続。
生まれた遼帝国を政争で追われた幼年期以来、嵯峨は常に日陰の道を歩いてきた自分を思った。
一方のかえでは光の中を約束された未来に向けて歩いている。
その事実が嵯峨に涙を流させた。
その嵯峨家の控えの間には先客がいた。
かえで、そしてかなめの父である『平民宰相』にして前関白太政大臣西園寺義基。
見慣れた和やかな面影の一部も見えない義基の態度に二人は緊張した。
本来であれば関白としてかえでの家督相続を認める立場のかなめに代わり前関白として儀式を進行する義基。
こうして、かえでは嵯峨家当主と大納言の官位を得た。
その瞬間、足を崩して本来の『平民宰相』の顔に戻る義基。
和やかな家族の時間が訪れた。
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画像は全関白太政大臣である、かえで、かなめの父西園寺義基から嵯峨家相続をゆるされるかえで
