以下「あとがき」からです。(※ネタバレを含む)
この小説は、一度書いてボツにし削除したものを、記憶を頼りにリメイクした作品です。 いつか書いてみたかったんですよね、西遊記モノ。 クロウは分かりますよね、三蔵法師。スピードが孫悟空、ズズが猪八戒、ロードが沙悟浄。三蔵法師がガンダーラで仏教の経典を学んで持ち帰ったように、クロウ(ゲンジョウ)も警察の在り方を学んで世界平和を成し遂げる物語です。 僕の小説は初期作品は復讐ものばかりでした。 この作品もそうでした。ラスボス、ギースをライナーでむちゃくちゃに切り刻みジ・エンドだったんです。 しかし時が立ち、僕も歳を取りましたから(笑)人を赦せるようになりました。 マリアを復活させ、「ルーメン(ラテン語で光という意味です)」という浄化の異能を与え、悪人の心の悪を取り除いていく。 悪人を叩きのめしてカタルシスを得る、という作風から人を赦す事こそ本当の強さだと思うようになりました。 人の心のありようはどんどん変わってゆくもの。そんな今の心境にこの小説はピタリとハマりました。 このギースの最後の変容に若い読者さんは物足りなさを感じるかも知れませんが、歳をとるとこんな作風になっていくんですよ(笑) それでは、また次作品でお会いしましょう。