小さい頃の真央は、すっごく可愛かった。
それが小学生になって、綺麗な女の子になった。
小学三年生になると、前髪を伸ばすようになった。
顔を隠すためにだ。
「おそと歩くのイヤ……」
道行く人に声をかけられまくって大変だったらしい。
ヒヤリとする場面も一度や二度ではない。
可愛すぎるのも考え物だった。
「大変だったの。わかる?」
「わかる」
いや、わかんねぇけど。
真央の問いかけは同意しておけばOKなのだ。
そんなわけで、真央のパーソナルスペースは滅茶広い。
数人の友人だけが、その鉄壁を突破できている。
絶対安全と認定されたエリートのみだ。
俺もその一人だけどな。
「こうして我は一角の陰キャとなったわけだな!」
中二病なポーズで笑う真央。
「それ、自慢すること!?」
変人なのは、昔から変わらない。
まあ、仕方ないか。
魔王だもんな……。
織田信長も言ってたろ。
是非に及ばずって。
「で、式はハワイと魔界とどっちがいい?」
「結婚を前提に話してんじゃねぇよ!」
さすが魔王。
油断も隙もない。