異世界転生。
ステータスオープン。
鑑定。
チート能力。
このあたりの単語を並べると、いかにもそれっぽい話が始まりそうですね。
始まりませんでした。
主人公に表示されたのは、
・普通自動車第一種運転免許(AT限定)
・TOEIC515点
・簿記三級
・大学時代の成績
です。
違う。
そういうステータスじゃない。
……というところから始まる短編です。
どうせなら最後まで徹底しようと思い、作中では「剣術S」「魔力SS」のような表示も使っていません。
剣士なら武術歴。
勇者なら大会戦績。
身体能力ならベンチプレスや1500m走。
不正をしていれば未申告資産と証憑保管場所。
そんな感じです。
ステータスという言葉を、ゲーム用語ではなく、妙に現実的な意味で全力運用してみました。
結果として、剣と魔法の異世界なのに、領収書と内部監査の話になりました。
何故でしょうね。
なお、本作の主人公はあまり善良ではありません。
本人いわく、
「不正は育ててこそ金になる」
とのことです。きっと白粉を塗っています。
間違いなく最低最悪のクソ野郎です。
同時に完璧に社会秩序の守り手です。
まーた、面倒くさい奴を作ってしまった。
新感覚ステータスオープン、ここに堂々完結。
よろしければお付き合いください。