小さな子は鼻を天に向け、クンクンと周りの匂いを嗅ぎはじめました。
初めは甘くとろけるような果物の香りがしましたが、次に市場の磯の香りがしました。
海を見たことがなかった小さな子にはそれが何なのかわからず、ただ生臭さが鼻をつくばかりでした。
「嗅いだことのない匂い……」
その他にも香辛料のスパイシーな香りも入り混じり、どれも初めて嗅ぐ匂いでした。
「何処に行けばいいんだろう…」
小さな子がどこをどう歩いて良いのか迷っていると、前から巨大な車体が地面から数メートル宙に浮きながら、小さな子を目掛け猛スピードで迫ってきました。
