こんばんは。通院モグラです。
今回は雑談ですが、拙作『Eden』の中で中核を担っている「救急救命士」という職業について、調べたことをお話しさせて頂こうと思います。
Edenでは主人公エデンが、第1部終盤から第2部序盤で取得してる資格になります。元特殊部隊の兵士でも取れる資格なのかというと、軍所属の救命士と民間の救命士では資格との取り方が異なるので、現実的には可能だと思われます。
一般には救命士といえば、救急車に載って真っ先に119の通報先に駆けつけてくださる方々のイメージが強いと思いますが、実は救命士の仕事って色々種類があるようです。
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① 民間の救命士(日本の救急救命士)
・救急車勤務
一番イメージしやすい場所。消防機関の救急隊に所属。
要請があると現場に急行し、重症度を見極め、搬送中に処置を行い、病院に着いたら医師に引き継ぐ。
・院内(病院勤務)
2000年代以降、救急外来やICUに救急救命士が採用されるようになった。
救急車患者を受け入れたり、院内で急変した患者に駆けつけたり、オペの補助を行うこともある。トリアージ(重症度判定)を担うケースも多く、災害時の多数傷病者対応でも活躍されている。
看護師や臨床工学技士と役割が重なる部分もあり、病院ごとに業務範囲は異なる。
<許されている医療行為>
気道確保(気管挿管、マスク換気など)
静脈路確保と輸液
アドレナリン投与(心停止時)
12誘導心電図の解析と伝送
AED(自動体外式除細動器)の使用
※ただしすべて【医師の指示下】が原則。心肺停止状態なら指示を待たずに一定の処置を実施可能。
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②自衛隊の救命士
・陸・海・空それぞれに衛生科部隊(医療専門職種)があり、その中で養成や資格取得が行われている。取得した後は、自衛隊病院・駐屯地・艦艇・航空基地・災害派遣現場などで活動。
・民間の救急救命士と同じく、法的には「医師の指示の下」で活動する枠組みに縛られる。行える処置は民間救急救命士と同等。
・訓練演習や駐屯地勤務、災害派遣、PKO(国連平和維持活動)や国際緊急援助隊の一員として海外派遣されることも。
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③ 軍隊の救命士(衛生兵 / Combat Medic)
・最前線で、負傷兵の止血や気道確保を行う。
・後送(後方の野戦病院やForward Surgical Team)に搬送するまで命を繋ぐ。
多くの軍隊では小隊・分隊ごとに衛生兵が配属され、部隊の“医療係”を担っている。
<行える医療行為(TCCC:Tactical Combat Casualty Care)>
止血:ターニケット(止血帯)・止血剤
気道確保:エアウェイ、針サージカル、場合によっては輪状甲状靭帯切開
輸液:点滴、骨髄内ルート確保
薬剤:鎮痛剤、抗生物質
救急搬送:ヘリや装甲車での後送
※・戦場では「ABC(気道・呼吸・循環)」よりも、まず大量出血の止血が最優先。これがTCCCの基本理念。
※米軍の特殊部隊衛生兵(Special Operations Medic)はさらに高度な訓練を受け、小外科手術・輸血・薬剤投与まで行う。ほぼ準医師レベルのスキル。
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④ 『Eden』のエデンはどこに位置するか
そもそもの所属部隊であるJ-MET12が海外軍隊式の医療部隊をモデルにしているため、③ の軍隊の救命士(衛生兵 / Combat Medic)想定です。ただし一部の高度な医療処置は軍医の指示がないとできない、という日本の自衛隊救命士の名残をこっそり残していたりします。
ただし、
・護衛兵として戦闘行動を行い、医療部隊を守る。
・救命士として止血・気道確保・輸液・搬送を行う。
・助手として軍医の開腹手術や蘇生処置を直接補助する。
という、戦闘行動も業務に含まれた衛生兵、という立場なので、現実には定義されていない職種になると思います。
作中では第2部以降、エデンが点滴を自己判断でとっていたり、軍医の指示を受けてから挿管や処置の補助をしているシーンを書いているのですが、この軍医の指示があるかないかは結構こだわって書いたポイントでした。もはや細かすぎて誰得の領域です…笑
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いかがでしたでしょうか。
拙作は医療系ジャンルのはしくれですが、主人公を医者ではなく救急救命士にしたのには、救急救命士ってほんとかっこいい職業なんですよ…!という熱く語りたい気持ちがあったからでした笑
エデンにはこれからも戦闘と医療処置を頑張ってもらいたいと思いますので、引き続き皆様に見守って頂けたら幸いです。