先般、お米券という天下の愚策についてコメントしたが、天下の愚策に幾つかの自治体が同調しているらしい。そういう場所には住みたくないですね。税金の無駄遣いをしているだけだ。
それにしても、ニュースでは米が余っているとか、暴落するかも知れない、とか散々言っているが結果が付いて来ていない。相も変わらず、5キロ5000円の米が大して売れもせずにスーパーの売り場に鎮座している。
では、どうしてお米は「予想に反して」暴落しないのだろう?それは「予想」が造られた物だから、であるというのが僕の見立てである。造られたというのはつまり偽情報だから。である。「暴落」の情報の相手は米の消費者ではない。米の生産者と輸入業者である。
つまり、脳タリン省はこう考えている。1)生産者には、今後これ以上生産すれば暴落する、だから減反をしないと大変なことが起こる。2)輸入者にはこれから暴落するのに1キロあたり300円以上の関税を払って輸入したら大変なことになるかもしれないですよ。
そう言っておけば、現実に在庫が積み上がっているから十分な脅しになる。短期的には輸入の抑制、長期的には減反を進めるための布石とでも思っているのだろう。そして大して頭の良くない、脳タリン以下の「有識者」に「米は下がる」と言わせておけば良い。現実には在庫調整をするのは癒着団体だからなんとでもなる、とでも考えているのだろう。流石に脳タリンである。
しかし、おそらくはこのシナリオは崩壊する。現実に僕らは米を食べなくなる、販売者だって売れない物を売って行くには限界がある。恐らく幾つかの穀物商が廃業し、スーパーの米売り場がだんだんと縮小していく現実がそこまでやってきている。需要と供給というのは供給が需要をちょっと下回る時にこそ、供給側がコントロールできるのである。みんなが「米を買いたい。できれば安く」などといつまでも思っているとしたら壮大な勘違いであり、米の価格の維持は減反が追いつかなくなる状況を招くだろう。それは米が値上がりしているからではない。米が「異常に値上がりしているからで」相対的な価格から考えた場合、米の選択的優先度はもはやかなりダメージを受けているのだ。今時、「今年は上手くいったね、ちょっとうるち米を挙げたのは却って餅米が減って餅の価格も上げられたね」なんて思っているかもしれないけど、僕は年末は餅も買っていない。
脳タリンに思うとおりにさせていたら、世の中は悪くなる一方である。