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お米券・・・


 前の大臣が「米の増産」を決めてやっと問題が解決の方向にむかうのかと思っていたら、なんだか貧乏神のような新大臣が「増産はしない」と方針を大転換して話題になっている。JAの会長が時代劇の「悪徳商人」のような風貌であったことを思えば、世の中は江戸時代に巻き戻り、豪商(JA?)と結託した跡部良弼の登場ということであろうか?
 となれば大塩平八郎にぜひ登場して貰いたいところだ。
 「米の値段は市場で決まる」などと平気で世迷い言をいいつつ、生産に介入するという馬鹿げたことを平然とやっているのはもとのノウタリン推参症の官僚らしい。開成ー東大卒にもこんな阿呆が居たというのは目を見張る思いである。
 農相・・・脳症か?

 日本中を呆れさせ、様々な自治体から総スカンを食っている理由は、僕は単に「JAへの利益誘導」に見えるというだけではない、と考えている。
 日本の米の生産性の悪さは驚くべきである。もちろん、土地の広さとか農法とかさまざまな理由はある。しかし、5キロの米の売値が関税込みで3000円(実質は1500円)に対し、4500円でないと成り立たないのはそれだけが理由であるとは到底思えない。要は戦後、実質的に「何もしないまま現存する農家のいうがまま」の農地政策をとってきた農林水産省の怠慢が招いた結果なのである。正直言って、こんな次第になるならこの省庁は解体してどこかの省庁の外局にでもした方が宜しい。
 恐らく、農家の実質手取りが余り高くないのは事実だろう。それを修正するためにある程度の値上げをするくらいだったら、こんな事態にはならなかったと思われる。だが当時の脳症・・・あ、農相は「新米が出れば安くなる」と放言し、何の対策もとらなかった。
 そして今度は「お米券」である。馬鹿か?これが農林水産省という官庁のやることなのか?
 小学生の「肩たたき券」でもあるまいし。何の根本的対策も取りません、金をばらまくから我慢しろ、みたいな話が通るとでも思っているのか?そんな省庁が存在して良いのか?
 そういうことなのです。

 僕らはカロリーベースの「食料自給率改善」というなんだか怪しげなお札を「だってそのために第二次世界大戦で飢饉がおきたんだから」みたいな変な話に釣られて信じさせられてきたけれど、ここまで無能な政策を見せられると、そんなお題目さえ信じられなくなりつつあるのだ。正直言って、日本の農業政策は今のままでは何も改善しないという事が分った。大臣の更迭だけでは済ませられない、農林水産省の抜本的な見直しさえ考えなければならないところに来ているのだ。もちろん農協などはNO協にしなければいけない。
 恐らく日本にもこの政策に危機感を抱いている農業従事者はいるだろうし、新たに参入を考えている事業者もいるであろう。すべきはそうした人たちに「工夫」させ「生産性、利益率」などを上げることである。未だに農地法に縛られた格好の儘、それを良いことにサボっている官僚に任せてはいけない、という事が分ったという意味でこの「米騒動」をチャンスに変えていかないと日本の農業には未来はないようだ。

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