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バッドエンド『アオトラ』実はハッピーエンドだった件について(ネタバレ注意)Part③。

⑨キドンはついに立ち上がり、今に衝突しそうな両国の間をぬい、襲いくる忠節国士隊に逆らって攻め進み、タイラント国王の首をロンパイアで刎ねる。

⓾これをもって終戦となり、キドンはシェメッシュ小邦を救った英雄として称えられ、アルコと同じ聖騎士団の一員に任命される。

⑪キドンは、アルコとともに、シェメッシュ小邦で幸せな生活を送る。

と、ざっくりとしたあらすじではありますが、このように終盤は悪名高き色と欲のタイラント国王にキトンの手によってしかるべき制裁がくだされます。そしてキドンは、そのままシェメッシュ小邦へと寝返り、ドゥルキス大君の騎士となるのでした。

以上、『アオトラ』のもとのシナリオはハッピーエンドだったわけです。
では、なぜバッドエンドに転換したかというと、それはキドンがタイラント国王の寵愛にすっかり依存してしまっていたからであり、アルコの友情を優先してシェメッシュ小邦へ寝返るという勇気がなかったからです。

私にとってキドンは、自己肯定感を保つためにルンブラン公国での幸福を見出したがる小心者であってほしかったのです。
そちらのほうが、よほど人間くささがあふれていることでしょう。

『アオトラ』は、キドンの人柄にこだわった一作といえます。

『笑わぬ虎は、青瞳を愛する。』
👇
https://kakuyomu.jp/works/822139836968055671

8件のコメント

  • こんばんは。
    ふむ。なるほど。了解です!
    原案を教えてくださり、ありがとうございました。
  • 加須さん

    アオトラ、本来はハッピーエンドだった件について、つらつらと原案を書き連ねてみました。
    また本編と見比べながら、「こんな世界線もあったのか」と楽しんでいただけますと嬉しいです!
  • ぽんつく地蔵様

     完結おめでとうございます。
     実は、読み始めた時は、こちらのハッピーエンドを想像していたんです(⁠*⁠´⁠ω⁠`⁠*⁠)
     でも、途中から雲行きが怪しくなって戦々恐々でした💦
     これ、難しい選択ですよね。
     異国にいれば別の考え方ができても、元いた場所に帰ると、途端に刷り込まれた考えが復活して縛ってくる。
     結論だけみれば、人間としてアルコさんは素晴らしいけれど、結局は国を滅ぼす引き金を引いていて、戦士としては失格なんですよね(;_;)
     色々考えさせられる物語でした。
  • 涼月さん

    ですよね!私もハッピーエンドでいくつもりだったんです。。。
    涼月さんのプロフィールを拝見したところ、こういうドロドロとしたエログロ系は苦手でらっしゃるようなので、正直大丈夫かなと思ってビクビクしておりました(^◇^;)。

    異国情緒に魅せられる、それは表層でしかありません。根底に刷り込まれた自国の思想は、一念発起でもしない限り変わることはない。キドンは、そういうタイプの人間でした。

    対してアルコも、祖国を守るために戦いました。でも、ほかに和平の道があったのでは?戦うしか方法がなかったのかというと、攻め来るキドンが強すぎて抵抗できなかったのもありますが。。。

    後味の引くストーリーになりましたが、その後味を吟味してくださると幸いです(^^)。
  •  本編最終回辺りの感想に書いたことの続きですが。
     個人的には、ぽんつくさんがハッピーエンドじゃなく悲劇的な結末を選んだことが意外だし興味深いなあ、と感じました。

     というのは、アオトラを掲載し始めた辺りにぽんつくさんが、近況ノートで「男らしさって何だろう」ということを話題にしていたので。
     てっきりアオトラの結末では「これがこのワシ、ぽんつく様の見出した男の生き様じゃい!」というのを出してくると思ってたんです。
     が、あえて本編ではキドンがめっちゃ男らしくない結末! 何があったんだぽんつく地蔵!?

     ハッピーエンド案もしっかりしたシナリオだと思いますが、あえて悲劇にしたのはなぜだろう……という興味深さがあります。

     あと、個人的にはハッピーエンドと悲劇の中間というか
    「キドンもアルコもそれぞれの国の決定には逆らえず、心ならずも戦うこととなる」「だが、どちらも戦士として覚悟を決めての戦いであった」「勝者となったキドンは涙しながらアルコにとどめを刺し、手柄とするが、生涯その友愛を記憶に抱き続けた」
    みたいな。『北斗の拳』とか『花の慶次』のような「お前もまた強敵(とも)だった」的な落としどころにすると予想してたんですよ。

     二次創作で書いた外伝の方も、実はそんな予想に基づいて書いてたりします(一話で虎が、次に会うときは戦場だろうと思ってたり)。

     無論、本編の結末が悪いというのではなく、どのようにしてこの結末を選択したのか聞いてみたいです!

     そういえば外伝の二話の方も、実は「男らしさ」がテーマなのです。
     青年(本編ではないのであえて名前では呼ばないけど)は「恐怖を乗り越える」「本音よりも、矜持に基づいて行動する」
     将は、青年に対するアンチテーゼとして「本音を、弱さをも含めて正直にぶっちゃける」「自分に嘘をつかない」
    という、相反するけどどっちも男らしい「男らしさ」。

     ……本編のキドンはまるで、両方の悪い所を取って行動しちゃったみたいだなあという気もします。そういう弱さも「現実的に男がまさに持っている弱さ」だと思います。
     そう考えると(理想的な)男らしさとは「他人の意志や外部的な条件に左右されず」「自分の意志と自分の責任で行動する」ことなのかなぁと思います。
     ……難易度が高い!
  • 木下さん

    本編『アオトラ』には、さまざまな結末が予想されたことと思います。私も、「結末どうしようかな」と思いながら、原案を思い描いていました。あるいは、木下さんのように、『北斗の拳』的な落としどころで決めるという手もあったかもしれません。

    私が「男とはなにか」をあれだけ語っておきながら、本編では「男の矜持を完全に捨ててしまった」ような予想外の結末に。これには、私自身も心底びっくりしております(⇦なぜにあんたが笑)

    実は私としても、この結末は想定外でした。
    主人公キドンが、そうさせたのかもしれません。
    キドンは、タイラント国王の冀求にえらく執心していました。それは、アルコとの友情を超えるほどだったのだと思います。
    後半、その「国王からの寵愛」に自己満足を置いたキドンが、アルコとの友情を貫くとはあまり思えなくなっていました。そこで原案を書き換え、このたびの結末に至ったわけです。

    「男らしさ」とはなにか。
    女の私にはわかりかねますし、思い描いてもそれは理想でしかありません。
    なので、といいますか。「男らしさ」の中にひそむ、女にもあるような「生臭さ」を演出してみた次第でございます。

    果たして回答になっているかどうかわかりませんが、一応、『アオトラ』の結末の意味はこんな感じです。
  •  丁寧な返答ありがとうございます。
     作者としても意外な結末だったのか! 読者としても、事前の紹介で悲劇的な結末とはほのめかされていた記憶ですが、ここまで悲劇的だったのはやはり意外でした。
     でも確かに、キドンの置かれた状況では現実的にこういう形になってしまうのか。

     以前に男らしさについて話したとき、私の方からは男らしさの例として「優しさ」を挙げたと思います。
     で、だいたいの場合においては「強くなければ優しくなれない」と思うんです。
     たとえば、倒れた人に「大丈夫か!」って手を差し伸べるにしても、まず差し伸べる側が強く立ってないといけない。
     自分が地べたに倒れたまま、倒れた相手に手を差し伸べても「大丈夫か!」「いやお前が大丈夫か」ってツッコまれて終わる(?)。

     この話の場合は、キドンがまず手を差し伸べられる状況になかったんだなぁ、と思います。

     というかむしろ、倒れてる側のはずのアルコが「大丈夫か!」って手を差し伸べてる気がする。
     (いやお前が大丈夫か)とキドンがその手をつかむルートも、もしかしたらどこかであり得たのかもしれない……けど、そうはならなかった。

     個人的には、キドンが自分の行動に何らかの形で納得していていたらなあ……と思うけど目を背けちゃったしなあ。
     状況に潰され、友を殺すことを選んだキドンと、そうなると分かっても、別れていく友を手にかけられなかったアルコ。男らしく在れずに生き長らえた者と、男らしく死んでいった者。そういう結末なのかぁと思います。
  • 木下さん

    強くなければ優しくなれない、その言葉は身に沁みますね。
    キドンは、腕っぷしは強かったけれども、心が弱かったのでしょうか。それもそうですよね、虎だった頃は完全にアルコにべったりで自立していませんでしたから。人間に戻っても、今度は国王にべったりで。
    アルコこそキドンを超える腕っぷしの強さがあれば、暴走のキドンを止められたかもしれませんね。

    男らしく在れずに生き長らえた者と男らしく死んでいった者。
    アルコは最後までキドンのことを「ルーと思っていた」わけですから、友情を貫いた面では男らしいと言えるのかな。
    キドンは、男らしいもへったくれもないですね(^◇^;)。
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