第3話『女帝』の前編を公開しました。
今回は、目も眩むような「黄金の庭園」が舞台です。
「もう頑張らなくていいよ」
「ここにいるだけで、愛してあげるよ」
そう言われたら、ふらふらと身を預けてしまいたくなる。
自分を責めることに疲れ果てたゆりえにとって、女帝の言葉は、まるで熱い蜜のような誘惑でした。
でも、その花びらに触れたとき、ゆりえは気づいてしまいます。
そこにあるのが、冷たくて硬い「偽物」であることに。
今回のメルミは、いつにも増して辛辣で、そして最高に頼もしいです。
黄金の糸を牙で噛み切り、女帝に「お断りね」と言ってのける。
その小さな背中を見ていると、私もなんだか、誰かに決められた「幸せの形」なんて蹴っ飛ばしていいような気がしてくるんです。
茨の檻に閉じ込められてしまった二人。
ここからどうやって、この「剥製の楽園」を脱出するのか。
後編では、ゆりえの本当の「熱」が試されることになります。
甘い毒に負けず、彼女たちの旅を一緒に見守っていただけたら嬉しいです。
