第2話『女教皇』の後編を公開しました。 今回は、書きながら私自身の胸の奥が、ジンと熱くなるのを感じていました。
「どうして自分はこんなにダメなんだろう」 そう思って、自分を綺麗に掃除してしまいたい夜ってありますよね。 ゆりえも、そんな「完璧な沈黙」に追い詰められていました。
でも、メルミが言ってくれました。 「無理に捨てなくていいわよ。……眠らせてあげなさい」って。
不格好で、泥だらけで、自分でも嫌いな記憶。 それを無理に消すんじゃなくて、ただ「今まで頑張ったね」と毛布を掛けて、眠らせてあげる。 ゆりえが口ずさんだハミングは、そんな自分への「お疲れ様」だったのかもしれません。
泥だらけのザクロを、そっとがま口に入れたときの、あの小さくて重い手応え。 誰かの決めた正義よりも、自分の中の泥臭い温かさを選んだ彼女を、私は心から誇りに思いました。
noteの方では、メルミが言った「砂と土」の不思議な関係や、あのハミングに込めた想いについて、少し詳しくお話ししています。
