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寝てるうちに言っておくけど

 その日は珍しく、日付が変わる前に寝た。
 それが間違いだった。

【誠をおとす会】

一花『はい、今日の戦利品』

一花『[画像]』

三桜『わぁ……誠くん、寝顔かわいい』

二葉『一花。肖像権の侵害よ』

一花『撮ったのは廊下。合法』

心花『違います! センパイの睡眠は公共物じゃありませんっ!』

一花『じゃあ誰の物なの?』

心花『……私のです』

二葉『論点がずれているわ』

一花『まあいいや。既読つかないね。これ寝てる』

三桜『ほんとだ。じゃあ、今のうちに言っちゃおうかなぁ』

二葉『何を』

三桜『今日ね、誠くんが日直かわってくれたの。すごく嬉しかった』

一花『あたしは今日、一回も誠の背中にタッチできなかった。悔しい』

二葉『……私は』

二葉『マコトの手が、思っていたより大きかった』

一花『えっ、何それ。いつ触ったの』

二葉『黙秘するわ』

心花『綾瀬先輩、それ何時何分の話ですか』

二葉『……黙秘するわ』

一花『篠崎さんも言いなよ。寝てるうちにさ』

心花『じゃあ言います。私、センパイが困ってる顔が一番好きです』

一花『こわ』

 ――翌朝。

誠『全部読んだ』

三桜『!!!』

二葉『……おはよう』

心花『えっ、あの、あれは言葉のあやといいますか』

一花『で? 誰の直撃弾が一番効いた?』

誠『黙秘する』

一花『あははっ。覚えたじゃん』

 スマホを伏せて、俺は制服に袖を通した。
 顔が熱いのは、たぶん寝起きのせいじゃない。

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