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愛、能う限り(詩)

あいあたうかぎり

くるしさとたのしさと
うれしさとうれうしさと
うごいてしまうほんねと
たてまえ
わからないままむじゅんしていく
ァ゛ァ゛
さけびのはんきょうが
ねぐされした
あいのよう


詩人の詩は過去切れた
愛人の庭は昔燃えた
道化師の街は今を俄然
迎えている
誰かが泣いている声を
気づかない道化師たち
自浄を持たない政治家たち
汚濁を飲み込む恋人たち
向上心に諦めた凡佰たち
無我で活字を啜る学徒たち
そこにある貴賤の
なんと語彙のないことか


分からないこと
告げること
見えないこと
告げること
私たちはなんで生きているのだろう
受けとった宝物たちを
どうしてこんなに零してしまうのだろう

愛、能う限り。

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